> 「逝きし世の面影」渡辺 京二 - 【本ナビ】本のソムリエの一日一冊ビジネス書評

「逝きし世の面影」渡辺 京二

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二
平凡社
売り上げランキング: 1475


【私の評価】★★★★☆(86点)


■江戸時代とは、どのような社会だったのか。

 日本を訪れた外国人の記録から、
 江戸の生活と日本人を
 解説してくれる一冊です。


 外国人には、貧乏人であっても
 清潔で幸せそうに生きる日本人に、
 驚きを感じたようです。


・1856(安政三)年八月日本に着任したばかりのハリスは、
 下田近郊の柿崎を訪れ次のような印象を持った。
 「柿崎は小さくて貧寒な漁村であるが、
 住民の身なりはさっぱりしていて、態度は丁重である。
 世界のあらゆる国で貧乏にいつも付き物になっている
 不潔さというものが、少しも見られない。(p100)


■さらに、江戸時代にも
 地震、津波といった
 自然災害がありました。

 しかし、私たちの祖先は、
 それからも笑顔で立ち上がり、
 幸せそうに生活していたのです。


・ペリーの四年後に下田を訪れたオズボーンは、
 町を壊滅させた大津波のあとにもかかわらず、
 再建された下田の住民は「誰もがいかなる人びとが
 そうありうるよりも、幸せで煩いから解放されて
 いるように見えた」(p74)


■江戸という時代を通じて、
 日本人というものを再発見できる
 ような気がしました。

 挿絵もたくさん入っているので、
 絵を見るだけでも楽しめると思います。

 渡辺さん、
 よい本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・アリス・ベーコンは言う。「どうして、日本人は
 こんな安物をこんなに美しく作れるのかわかりません。
 ・・・アメリカ人にとっては「安価」と「粗悪」は
 同意語なのだが、日本ではもっとも低廉な品物に優美で
 芸術的なデザインが見出される(p223)


・「日本人は酒に酔うと、アングロサクソンやアイルランド人、
 ことに後者が一般的に喧嘩がしたくなるのと違って、
 歌いたくなるらしい」というのはむろんユーモアであろうが、
 モースは本気でそう感じたようである(p164)


・W・G・ディクソンは維新前と維新後、二度にわたって
 日本を訪問した英国人であるが、こう述べている。
 「私の日本旅行のすべてにおいて、二人の男が本当に
 腹を立てたり、大声で言い争ったりしたのを見たおぼえがない。
 また、中国では毎日おめにかかる名物、つまり二人の女が
 口論したり、たがいにいかがわしい言葉を投げつけあったり
 しているのも一度も見たことがない」(p168)


・「日本の上層階級は下層の人々を大変大事に扱う」と
 スエンソンは言う。「主人と召使の間には通常、
 友好的で親密な関係が成り立っており、これは西洋
 自由諸国にあってはまず未知の関係といってよい(p279)


・英国商船の船長ヘンリー・ホームズは1859(安政六)年
 交易を求めて長崎に来航したが、早朝町へ出かけて、人びとが
 寝ている家へあがりこんだ。「家へ入るには裏戸を押すだけで
 よかった。ロックもボルトもなかった」。(p156)


逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
渡辺 京二
平凡社
売り上げランキング: 1475


【私の評価】★★★★☆(86点)


■著者紹介・・・渡辺 京二(わたなべ きょうじ)

 1930年生まれ。日本近代史家。
 書評紙編集者などを経て、河合文化教育研究所特別研究員。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
50,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://1book.biz/mt/t-kazu-b/4267

コメントする

本の評価★別

>月別

最近のコメント

  • takeshi: 中学教師です。 先日、ご紹介いただいた「心を整える」を使って 道徳の授業をしました。 教員・生徒共々とても好評でした。 ありがとう 続きを読む
  • Toshi: ソムリエ様の3月25日の1冊をたまたま 書店で見かけたので早速購入しました。 日本人の特質のひとつは ^ 長い物にはまかれろ^ と 続きを読む
  • 佐藤:  読みました。 メルマガであまり取り上げられない小説ですが、 新聞社の中で日航機墜落を通してサラリーマンが 押し通すのか、折れるの 続きを読む
  • 根本武雄: NPO法人 一億健康の会 理事長 根本武雄と申します。下記の大変な誤りを致しました。 訂正いたします。               続きを読む
  • 本のソムリエ: 速読のメールスケジュールは 1 即日 2 1日後 3 4日後 4 5日後 5 6日後 6 7日後 7 8日後 8 9日後 です。 続きを読む
  • 本のソムリエ: ひとつひとつの言葉について、 解説するという形ですね。 続きを読む
  • YO: 今日紹介していただいた、 「君を成長させる言葉」についてですが、 この御本では、ひとつひとつの言葉についての 解説も書かれているの 続きを読む
  • 澤崎: いつもメルマガ楽しみにさせていただいてます。質問なのですが速読のメールはどれぐらいの間隔でおくられてくるのでしょうか?返答お待ちし 続きを読む
  • REIKO: 本当は革カバーのものが欲しかったのですが完売でないということで、 仕方なく豪華版仕上げのものを購入しました。 購入したのが1年半く 続きを読む
  • ks:  1日のスタートは、頭の動く朝早起きで 活性化させる重要性を再認識しました。  4時起きは出来るでしょうか。 続きを読む
  • サマデー: (ソムリエさんの評価は、低かったのですが、(笑) ぼくはなかなか早起きができなくて、 これを読んで早起きできるようになりました。 続きを読む
  • TM: こんにちは。 クライマーズ・ハイは本当にいい小説ですよね。 ドロドロした人間の内面が噴出する横山作品の中でも 特にそれが先鋭化して 続きを読む
Powered by Movable Type 4.25