> 「国を作るという仕事」西水 美恵子 - 【本ナビ】本のソムリエの一日一冊ビジネス書評

「国を作るという仕事」西水 美恵子

国をつくるという仕事


【私の評価】★★★★☆(87点)


■世界銀行の副総裁まで勤めた
 西水さんの一冊です。

 西水さんの秘密兵器は、
 ホームステイです。

 その国の貧困層の家にホームステイすることにより、
 その国の社会インフラの状況、役人の汚職などを
 庶民の生の情報を集めるのです。


  ・貧困解消への道は、「何をすべきか」ではなく、
   「すべきことをどう捉えるか」に始まる(p8)


■西水さんは、初めての調査で、エジプトの貧困街を訪問し、
 病気の子どもを抱き上げました。

 彼女は羽毛のように軽かった。
 そして、腕の中でその子は息を引き取ったのです。

 彼女の病気は、下痢からくる脱水症状。
 きれいな水さえあれば、彼女は死なずにすんだのです。

 彼女のなかでなにかが弾け、
「貧困こそ敵、その国の国民がお客様」という
 西水さんの信念の原点となったのです。


■日本ではありえないくらいの、
 途上国の汚職に驚きます。

 給食が出ない、電柱を立てるのに賄賂が必要、
 年金目当てに教職を買う
(日本でも似たような事件がありましたが・・・)

 賄賂は社会の潤滑油という人もいますが
 ここまでひどい汚職では
 実際の生活に悪影響があるはずです。


■世界銀行にこれだけ現場主義の人が
 いるのに驚きました。
 やはり現地現物は強力です。

 発展途上国の現実と、世界銀行の雰囲気が
 伝わってくる学ぶべき点の多い一冊でした。
 本の評価としては★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・ただひとつ世界銀行で学んだのは、
   リーダーの善し悪しが決定的な差を生むという
   政治の現実だった。(p285)


  ・年金目当てに教職を賄賂で買う・・・教科書配布には
   賄賂が要る、と子供たちから教わった。某国文部省
   役人らの給食詐欺(p40)


  ・電柱一本につき礼金五百ドル。この村にそんな大金はない」。
   無理な金を都合してせっかく引いたとしても、賄賂は続くという。
   集金人が・・・袖の下の交渉(p234)


▼引用は、この本からです。 

国をつくるという仕事
西水 美恵子
英治出版
売り上げランキング: 1909
おすすめ度の平均: 5.0
5 かっこいいです
5 マスメディアでは分からないこと
4 現場の人、行動の人
3 現実世界の複雑さを説明する内容を期待していた。。
5 日本の政治家に読んでもらいたい。

【私の評価】★★★★☆(87点)


■著者紹介・・・西水 美恵子(にしみず みえこ)

 米国ガルチャー大学にて経済学を学ぶ。
 1970年トーマス・J・ワトソン財団フェロー。
 1975年ジョンズ・ホブキンス大学大学院博士課程修了。
 1980年世界銀行入行。
 1992年同行、国際復興開発銀行 局長。
 1997年同行、副総裁。
 2003年世界銀行退職。 
 現在、米国ワシントンと英国領バージン諸島に在留。
 2007年よりシンクタンク・ソフィアバンクのパートナー。


─────────────────

■関連書評■

a. 「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
【私の評価】★★★★★

b. 「緒方貞子という生き方」黒田 龍彦
【私の評価】★★☆☆☆

c. 「万国「家計簿」博覧会」根岸 康雄
【私の評価】★★★★☆


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

いつも応援ありがとうございます
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
44,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://1book.biz/mt/t-kazu-b/3468

【本ナビ】 一日一冊読書感想集 - 「オレたちバブル入行組」池井戸 潤 (2009年9月12日 02:53)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)posted with amazlet at ... 続きを読む

コメントする

本の評価★別

>月別

最近のコメント

  • takeshi: 中学教師です。 先日、ご紹介いただいた「心を整える」を使って 道徳の授業をしました。 教員・生徒共々とても好評でした。 ありがとう 続きを読む
  • Toshi: ソムリエ様の3月25日の1冊をたまたま 書店で見かけたので早速購入しました。 日本人の特質のひとつは ^ 長い物にはまかれろ^ と 続きを読む
  • 佐藤:  読みました。 メルマガであまり取り上げられない小説ですが、 新聞社の中で日航機墜落を通してサラリーマンが 押し通すのか、折れるの 続きを読む
  • 根本武雄: NPO法人 一億健康の会 理事長 根本武雄と申します。下記の大変な誤りを致しました。 訂正いたします。               続きを読む
  • 本のソムリエ: 速読のメールスケジュールは 1 即日 2 1日後 3 4日後 4 5日後 5 6日後 6 7日後 7 8日後 8 9日後 です。 続きを読む
  • 本のソムリエ: ひとつひとつの言葉について、 解説するという形ですね。 続きを読む
  • YO: 今日紹介していただいた、 「君を成長させる言葉」についてですが、 この御本では、ひとつひとつの言葉についての 解説も書かれているの 続きを読む
  • 澤崎: いつもメルマガ楽しみにさせていただいてます。質問なのですが速読のメールはどれぐらいの間隔でおくられてくるのでしょうか?返答お待ちし 続きを読む
  • REIKO: 本当は革カバーのものが欲しかったのですが完売でないということで、 仕方なく豪華版仕上げのものを購入しました。 購入したのが1年半く 続きを読む
  • ks:  1日のスタートは、頭の動く朝早起きで 活性化させる重要性を再認識しました。  4時起きは出来るでしょうか。 続きを読む
  • サマデー: (ソムリエさんの評価は、低かったのですが、(笑) ぼくはなかなか早起きができなくて、 これを読んで早起きできるようになりました。 続きを読む
  • TM: こんにちは。 クライマーズ・ハイは本当にいい小説ですよね。 ドロドロした人間の内面が噴出する横山作品の中でも 特にそれが先鋭化して 続きを読む
Powered by Movable Type 4.25