「物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術」けんすう(古川健介)
2023/09/26公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(89点)
要約と感想レビュー
自分のキャラを決めて、それを演じきる
「物語志向」とは、自分のキャラを決めて、それを演じきることで、なりたい自分になるための物語を作っていこうというものです。著者は、やりたいことがわからない!という人に、興味がありそうなものをとりあえずやってみたらどうですか、とアドバイスするのですが、一歩を踏み出せない人が多いというのです。
そこで一歩踏み出すための仕組みが、自分のキャラを作る「物語思考」なのです。自分のキャラとは、10年後のなりたい自分です。この本では、10年後のありたい状態を100個書き出すワークや、なりたい状態に近い人のリストを作るワークを紹介しています。
例えば、外資系ITエンジニアとして年収2000万円でカルフォルニアに住んでいるというキャラでもいいでしょう。また、20代は勉強、30代は専門知識、40代は起業して、50代で社会を変えるというような10年単位で人生の物語を計画してもいいのです。「物語思考」とは、あなたを主人公とした成長物語なのです。
現状の自分を客観的にみてみると、全く不可能ではないけれど、本当にできるのかな?と10年後のキャラに不安になるかもしれません。不安であったとしても、物語なのですから読者目線でおもしろいと思えるようようなイメージを作っていきましょう。
20代のうちはたくさんやったほうがいい・・30代近くになったら「そろそろこの専門分野でいこうかな」(p85)
リクルートでは自分の会社を持っているのが普通
私が驚いたのは、著者のリクルートでの経験です。リクルートでは、「なんで自分の会社を持っていないの?やる気ないの?」と言われたという。つまり昼間はリクルートで仕事をして、その仕事が終わったら自分のやりたいことを副業として仕掛けていないなんて、やる気あるんですか?という雰囲気らしいのです。自分のやりたいことをビジネスとして立ち上げるのが、リクルートの普通だったのです。
著者は「物語思考」として自分のキャラを作って、そのキャラが活きる環境をつくろうと推奨していますが、そもそも環境を変えることで人生が変わることが大きいのではないかと感じました。誰でもリクルートに入れば、何年働いて起業するの?という質問に答えられるキャラにならざるをえないからです。
環境を作ってキャラが最高に活きる状態を作る(p138)
「失敗」が「物語」をおもしろくする
ゴールまでの道のりを極めるほうが好きな日本人には「物語思考」が合っていると思いました。自分のありたい姿(キャラ)を作り、そこに向かって行動し続けるのです。そしてキャラを作って行動していくうちに、自分はこういうキャラなんだと自分で思い込むようになっていくという効果もあるという。
行動していけば、失敗することもあるでしょう。しかし、物語の中では、「失敗」が物語をおもしろくするのです。古川さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・今の課題解決に適した本を読まなければ・・何かを成功させるためのコツは、「最初は自分の頭で考えない」ことです(p8)
・キャラを作るのには実は行動が欠かせない(p122)
・相手が今がんばっていることのお客さんになると、恩を売れる(p174)
・リスク管理とは・・対応策を用意しておくことで、リスクを認識しながら、実行にまで移します(p221)
【私の評価】★★★★☆(89点)
目次
オープニング 「物語思考」とはなにか?
ステップ1 頭の枷を外しながら、なりたい状態を考える
ステップ2 「キャラ」の作り方
ステップ3 「キャラ」に行動させよう
ステップ4 キャラが最高に活きる環境を作ろう
ステップ5 物語を転がそう
エンディング 物語にゴールはない
著者経歴
けんすう(古川健介)・・・起業家、エンジェル投資家、アル株式会社代表取締役。1981年生まれ。浪人生時代に「ミルクカフェ」という大学受験サービスを立ち上げたあと、レンタル掲示板の「したらば」を運営。新卒でリクルートに入社後、起業してハウツーサイトの「nanapi」をリリース、2014年にKDDIグループにM&Aされる。現在は「クリエイティブ活動を加速させる」ために、きせかえできるNFT「sloth」、成長するNFT「marimo」などを手掛けている。
ストーリー(物語)思考関係書籍
「ストーリー思考で奇跡が起きる1%の成功者だけが知っている「人生の脚本」の作り方」小山 竜央
「「物語」の見つけ方 ー夢中になれる人生を描く思考法」たちばな やすひと
「物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術」けんすう(古川健介)
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