「自分を守るためにちょっとだけ言い返せるようになる本 声とココロの取扱説明書」司拓也
2023/06/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
理不尽な依頼や要求を断れない人
著者は上司や顧客から、理不尽な依頼や要求を断れず、一方的に追い込まれた辛い経験をしてきたという。私も同じ会社の30代の人から「課長がやったほうが早いのではないですか」と言われたことがありますので、同じタイプなのかもしれません。
著者は相手から攻撃されると、反撃できませんでした。なぜなら、反撃しようとすれば、自分が相手と同じことをしていると自己嫌悪でいっぱいになってしまうからです。良い人であるがゆえに、言い返せない。そうした人をターゲットにする人たちが存在するのです。私の場合は、あまりに失礼な言動を相手に言われたときに、あまりに自分の常識をはずれており、何と言い返してよいのかわからず固まってしまい、言われっぱなしになってしまうことが多かったように思います。
この本では、そうした罵詈雑言、無理な要求に対して、どう対処すればよいのか具体的に教えてくれるのです。
・あなたを攻撃してくる人のほとんどは・・他者を攻撃することでしか自己肯定や自己承認ができない連中です(p79)
メモを取る
まず、相手の言葉をメモをとることが基本となります。メモと取る動作だけでも、相手はきつい言葉を証拠として残されるのでは?と疑心暗鬼になるからです。相手からの厳しい言葉が続く場合には、「どういう意味ですか?」「もう1回言ってください」と伝えます。失礼なことを言うとめんどくさい質問をしてくる相手と認識させるのです。
あまりにひどいなら、「呼吸が辛いです」「立ちくらみがします」と相手に伝えましょう。仮病作戦です。健康管理室にたれ込まれたらまずい!と相手に思わせるのです。なるほど素晴らしい作戦です。相手に間接的に圧迫を加えるのです。
ちなみに著者はカツアゲに出会って「小遣いくれや!」と言われたとき、とっさに「なんて、もう1回言って」と言い返したという。チンピラは急に態度が変わって去っていったというのですから、「もう1回言ってください」に効果はあるのでしょう。
・「そんなこともわからないの」・・「勉強になります。教えてください」(p99)
相手のプライドを満たしてあげる
実生活の中では、ここまでひどいことを言われることはほとんどないと思います。よくあるのは、ちょっとした心ない言葉や無理な要求や嫌味な言葉でしょう。ちょっとした口癖になっている人もいますので、質(たち)がわるいのです。
例えば、「何回同じ失敗するんだ」と言われたら、「誰にも頼れなくて!〇〇さん。助けてください!」「どうしたら〇〇さんみたいにできるようになりますか?」と相手を持ち上げて、教えてもらうといいそうです。基本は相手のプライドを満たしてあげて、仕事のノウハウを教えてもらうことです。相手は、自分の存在を認めてほしい寂しい人なのです。
実用的な一冊だと思いました。この本の内容を使わないですむような人と付き合いたいものです。司さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・無茶苦茶な要求に対しては・・「私の立場ならどうされますか?」(p86)
・「今取り組んでいる仕事があるのにどうしたらいいの!?」という意味を込めて「えっ!!」と使います(p40)
・「何回言わせるんだ」といったセリフは、どうせ言われるんだろうなあと前もって予測しておきましょう(p119)
・邪魔やおせっかい・・「良かれと思って言ってくれるのは嬉しいですが」(p148)
【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
1 無力化力―攻撃を受けた時にあらかじめ自分を守る準備をしよう
2 カウンター力―自分を傷つけずに相手の攻撃にかしこくスマートに言い返そう
3 ポーカーボイス―「気の弱さ」や「ビビり」を悟られない声を身につけよう
4 クッション力―そもそも相手の攻撃に傷つかなくなる心を作ろう
著者経歴
司拓也(つかさ たくや)・・・ボイスメンタルトレーナー。声と話し方の学校「ボイス・オブ・フロンティア」代表。日本話す声プロボイストレーナー協会代表。1万人以上の声と話し方の悩みを解決。メルマガの読者は2万人にのぼる。会社員時代、上司や顧客からの理不尽な依頼や要求に対し、断れない、言われっぱなしで追い込まれる状況を何度も経験、鬱状態になる。その危機感からコミュニケーションを研究。相手を怒らせることなく自分の言いたいことが言え、自分の心も強くなる「ポーカーボイス&トークメソッド」を開発。過去の自分と同じ悩みを抱える人向けにワークショップ等を開催し、好評を博する。
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