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「ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則」堤 藤成

2023/01/05公開 更新
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「ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則」堤 藤成


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 コミュニケーションの本かと思ったら、売れるキャッチコピーの作り方を教えてくれる一冊でした。電通でコピーライターとして活躍している著者のコツは、何なのでしょうか。売れるキャッチコピーのコツは、「困っている人の問題解決のきっかけを提供する」ことです。そして「売ろう」とするよりも振り返ってもらう、心をうるおしてもらうという気持ちが大事だというのです。


 最近は心理学を使った「売ろう、売ろう」というマーケッティング手法が幅をきかせていますので、誠実な印象です。短期的な売上よりも、誠実さと一貫性でブランディングして長期的に売っていくことを著者は狙っているのでしょう。


・「うるおすマインド」を起点に考えると、「自分が助けられるのはどんな人のどんな課題だろう?」と、より自然に相手の役に立とうと前向きに考えることができます(p58)


 具体的なキャッチコピー作りの手順は、基本通りです。まず、ユーザーの問題を把握します。ユーザーに聞き取りをしたり、ネットで口コミ情報を集めます。「商品名」でGoogle検索したり、SNSでの口コミを検索したり、「Yahoo知恵袋」で商品についてどんな口コミがされているのか調べるのです。


 次はアウトプットです。こうして調べ上げたユーザーの不満ことに、頭に浮かんだことを書いていきます。アイデアを広げるのが目的ですので、深く考えずに、数多く書き出します。最終的には大量の文字の中から力が抜けて、引かれる言葉を選んでいくわけです。


・キャッチコピー・・『徒然草ライティング』・・頭の中に浮かんだことを書いていって・・数を書いてみることに集中する(p91)


 実は、ユーザーの困っていることを知ることが、もっともハードルが高いのではないかと思いました。課題設定がうまくいけば、解決策やキャッチコピーは何とか作れると思うのです。ユーザーのニーズや困っていることを知るために、企業が多額の予算を使ってリサーチしているのも当然のことなのでしょう。


 必ずしもヒットが生まれる保証はありませんが、ちょっとしたアイデアで爆発的に商品が売れることもあるので、コピーライターという仕事は芸術に近いと感じました。本のソムリエとしても、良い本を紹介するという「約束」を守り、「一貫性」をもって本を紹介していきたいと思います。


 堤さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・現状に困っている人に、一歩踏み出してもらうために何ができるか?(p158)


・私は目が見えません。助けてください→こんな素敵な1日、だけと私は見ることができません(p45)


・結果を出すブロガーはこうしたリサーチツールをいくつも使って徹底的にユーザーの検索語句を調べ上げる(p88)


・ブランディング・・・その鍵は「約束」と「一貫性」です(p111)


・考えるな、感じろ。これは月を指さすのと似ている。指に気を取られていると栄光を見失うぞ「燃えよドラゴン」(p49)


▼引用は、この本からです
「ほしいを引き出す 言葉の信号機の法則」堤 藤成
堤 藤成、ぱる出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

序章 言葉は、人を動かす信号である
第1章 あなたが陥りがちな「言葉の3つの罠」
第2章 とどめる赤 キャッチコピーのつくりかた
第3章 すすめる青 タグラインのつくりかた
第4章 きになる黄 CTA(Call to Action)のつくりかた
終章 『言葉の信号機』で、かなえるきっかけを


著者経歴

 堤 藤成(つつみ ふじなり)・・・コピーライター/クリエイティブ・ディレクター。生まれつき右耳が聞こえず、言葉で人を魅了するコピーライターに憧れる。新卒で電通に入社。クリエイティブ、デジタル、プロモーションの部署を経て、現在は(株)フェズにて、クリエイティブ・ディレクターとして活動。大手企業の年間キャンペーンや、10数社を超えるコンペに勝ち抜くなど言葉を起点に企業を支援している。カンヌGOLD、日本新聞協会新聞広告クリエーティブコンテスト・グランプリ&コピー賞、宣伝会議Advertimes第1回コラムニストグランプリなど受賞多数。人生のミッションである「かなえる、きっかけをつくる」の実現に挑戦中。


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