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「PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本」

2022/02/09公開 更新
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「PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本」


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

目的、成果物、成功基準を明確にする

タイトルどおりプロジェクトマネジメントの基本を教えてくれる一冊です。特に多くの人と一緒に仕事をしている人にプロジェクトマネジメントは必須の知識でしょう。例えば車の車検を請け負うとします。まず、何をするべきか、いつまでにやるのか、どの程度の手間をかけて品質を高めるのか、関係者と協議して決めなくてはなりません。これはプロジェクトのスコープ管理であり、目的、成果物、成功基準を明確にするということなのです。


もし、車検を依頼した人がすぐに車を使いたいなら、お金がかかってもスピード重視のほうを喜ぶかもしれませんし、品質重視で時間がかかっても、怪しい経年部品はすべて取り換えたほうが喜ばれることもあるのです。だから、まず目的、成果物、成功基準を明確にするのです。


・スコープの管理とは、ステークホールダーの期待値の管理です・・・作業を詳細化する(p29)


外部の人を連れてくる場合は要注意

特に印象的だったのは、外部から資材を調達する場合や外部の人に協力してもらう場合に注意が必要ということです。外部から調達する場合は、意思疎通の難しい外部組織に依存することになりますので、いつ、どんな物が到着するのか、確認する必要があります。また外注先が準備を進めていくため、進捗状況が見えにくいので余裕を持っておくことも必要でしょう。


また、外部の人と仕事をする場合には、まったく違う価値観で行動する可能性をリスクとして織り込んでおく必要があります。外部の人は自分の所属する組織の中での成功を目指すわけで、必ずしもこちらの組織のために動くとは限らないのです。著者も何回か失敗したのでしょう。


・外部の人を連れてくる場合は要注意・・・双方で目的が大きく異なることがあります(p141)


リスクを特定

この本を読んでいてリスクを特定するのが、難しいと思いました。すべてを知っていればリスクは見えていますが、知らない分野があった場合、詳しい人が言ってくれないとわからない場合も多いからです。そうしたリスクを誰もが口に出して言えるような雰囲気づくり、環境づくりが大切であり、難しいのではないかと思ったのです。


そのうえで、リスクに対して対策をたてるのです。リスクが起こらないように回避するのか、他のものに転嫁するのか、被害を軽減するのか、それとも受容するのか検討するのです。作業が遅れたときに要員の追加投入するのはクラッシング、は、順番に実行される予定の作業を並行して実施するのはファスト・トラッキングと呼ばれるという。


極端に言えば、プロジェクトにおいてはやってみないとわからないことも多いのですが、こうした本を読みながら、経験を積み重ねていくことで、よりよいプロジェクトを行えるようになるのではないでしょうか。基本的な本でわかりやすかったので、★4としました。良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・CCPM(クリティカルチェーンマネジメント)・・・タスクからバッファを取り除いて・・・全体でどれだけバッファを使っているのかが一元管理され管理しやすくなります(p83)


・スケジュールが正しく進んでいるのかを見張る・・・日々の進捗状況を記入してもらう・・・定期的に進捗報告会を行う(p172)


・プロジェクトは、最後に評価や反省を行って初めて完了となるんだよ(p47)


・KPT(ケプト)法・・・「K:続けたいこと(Keep)」「P:問題だと思うこと(Problem)」「T:試したいこと(Try)」の3つの視点からプロジェクト作業を振り返ります(p201)


▼引用は、この本からです
「PMBOKはじめの一歩 スッキリわかるプロジェクトマネジメントの基本」
飯田剛弘,奥田智洋,國枝善信、翔泳社


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

Introduction PMって何だろう?
Chapter 01【Case Study1】テーマパーク企画にPMを導入したらどうなる
Chapter 02【Case Study2】家のリフォームにPMを導入したらどうなる?~住みやすい家を目指して!
Chapter 03【Case Study3】オフィス移転にPMを導入したらどうなる?~誰でも最初は安だらけ
Chapter 04【Case Study4】夏まつりにPMを導入したらどうなる?~みんなで地域を盛り上げよう!
Chapter 05 あらためて..PMの概要と活用
Chapter 06 プロジェクトマネジメントなんでもQ&A
Chapter 07 PMBOK(R)第7版の概要



著者経歴

飯田剛弘(いいだ よしひろ)・・・愛知県生まれ。南オレゴン大学卒業後、インサイトテクノロジー入社。プロジェクトマネジメント協会(PMI)の標準本『プロジェクトマネージャーコンピテンシー開発体系 第2版』の出版翻訳に携わる。外資系製造企業FAROでは、日本、韓国のマーケティング部を立ち上げる。2020年、ビジネスファイターズ合同会社を設立。


奥田 智洋(おくだ ともひろ)・・・愛知教育大学教育学部卒業。卒業後は富士通のシステムエンジニアとして28年間、トヨタ自動車をはじめとした国内自動車メーカーの基幹システム開発に従事。現在は株式会社アイ・ティ・イノベーションで、シニアコンサルタント。名古屋夢工学研究会主宰


國枝 善信(くにえだ よしのぶ)・・・東京工業大学理学部物理学科卒業。卒業後は、国内大手SIerで生命保険業、自動車業界、製造業などのシステム開発、保守運用に従事。PMI日本支部でボランティア活動中。PMI日本支部 中部ブランチ運営委員。地域ソーシャルマネジメント研究会 代表(2021年~)


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