「天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ」北野 唯我
2020/03/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
秀才の嫉妬ほど怖いものはない
どうして大企業では大改革ができないのでしょうか。なぜ、アップル創業者のスティーブ・ジョブズが、アップルから追放されたのでしょうか。その後のアップルは、再びジョブズを呼び戻すまで創造的な製品を発表できませんでした。この本では天才を凡人・秀才が殺す理由を、関西弁の犬が教えてくれるという内容になっています。(原作はブログ)
まず、凡人にとって天才の言っていることは、破天荒であり理解できません。したがって多数の凡人は、天才の意見を無視します。秀才にとっては天才の言っていることは、論理的ではないので承認することはできません。天才は「世界を良くする」という壮大なビジョンを持っており、一方で、凡人は「その人や考えが、共感できるか」といった普通の評価軸を持っているだけだからです。コミュニティの和を乱す異物にしか見えないのです。
さらに頭の良い秀才にとっては、天才の底知れぬ能力に嫉妬するという面もあります。秀才は、成果を出す前の天才を認知できないから、できるだけ排斥するか、突き抜けすぎているので協力するか、どちらかに落ち着くのです。
私の経験からも、頭の良い秀才の嫉妬ほど怖いものはないと思います。その反面、味方にすればこれほど心強いものもない。頭の良い人は自分が正しいと確信しているがゆえに、手に負えないのです。さらに秀才は、天才を殺す武器を持っています。それは、「説明力」と「多数決」です。
『秀才の嫉妬は根深い』ということや。ええか、天才にとって秀才というのはホンマに"両極端な存在"であることが多い。右腕になるか、強敵になるか、どちらかや。つまり、めちゃくちゃ助かるか、めちゃくちゃ邪魔してくる存在。どちらかになることが多い(p148)
助けを求めて仲間にする
大成功とは、失敗の先にあるという。ところが、失敗したことない秀才が、組織の上に立つと、成功を文字だけで学んできた秀才が、知ったかぶりをして、天才を殺してしまうのです。『失敗しまくったこと』がないから、失敗する人を排除してしまうのです。
日本の多くの大企業は、秀才が支配していますが、秀才と仲良くして支援してもらう方法が笑えました。秀才に支援してもらうためには、秀才に『あなたならどうしますか?』と助けを求め、教えてもらった方法を愚直にやってみるのです。また、秀才は、「以前、○○さんは・・とおっしゃっていましたよね?」と秀才の発言を引用すると非常に喜ぶという。
北野さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・先生・・・秀才の一種。よかれと思って、天才のことを指導するが、天才にとっては好奇心を殺す存在に映る(p95)
・凡人はオセロや。オセロゲーム。凡人ってのは、成果を出す前の天才にはホンマに冷酷や。恐ろしく冷たい。だども、成果を出した途端、手のひらを反す。すごい!すごい!天才!って言いだす(p49)
・大企業がイノベーションを起こすために必要なのは、『若くて才能のある人と、根回しおじさんだ』・・(p175)
【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
1 才能ってなんだろう
2 相反する才能
3 武器を選び、戦え
著者経歴
北野唯我(きたの・ゆいが)・・・兵庫県出身、神戸大学経営学部卒。就職氷河期に博報堂へ入社。ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画。現在取締役として人事領域・戦略領域・広報クリエイティブ領域を統括。
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