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「世界で一番やさしい会議の教科書 実践編」榊巻亮

2020/02/03公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

会議の基本

組織における会議の基本を教えてくれる一冊です。会議の基本とは、次のとおりです。
 1 終了時に決まったことを確認する
 2 開始時にゴールを決めておく
 3 開始時に時間配分を確認する
 4 議論を可視化する
 5 会議前に準備する
 6 全員から主張を引きだす
 7 合意を形成する
 8 会議後に振り返りをする


会議の基本の3「開始時に時間配分を確認する」が大事なのは会議の参加者に常に「終わりの時間を気にしてもらうこと」です。「締め切り効果」で密度の濃い会議にすることができるのです。


会議の基本の6「全員から主張を引きだす」が大事なのは、発言して良かったと思ってもらうことでしょう。最初のうちは的外れな発言が数多く出てくるのですが、褒められない発言だとしても、どうにか認めて感謝するのです。


8以外は会議の基本として誰もがやっている内容かもしれませんが、見える化して会議でやるべきことを徹底することで意見のまとまりが良くなるのではないでしょうか。


・基本動作1終了時に、決まったこととやるべきことを確認する(p19)


ホワイトボードを活用する

ファシリテーターは会議で出てきた意見を否定したりせず、まずは受け止めてホワイトボードに書くなどして発言に共感するようにします。そして具体的にはどんなイメージなのでしょうか?なぜそう思ったのでしょうか?などと発言者に対する理解を深めてあげるのです。


表に出てきた意見やアイデアは、その人の過去の経験や価値観が土台となって出てきているはずであり、その見えない部分を「なぜそう思うのですか?」と質問することでひも解いていくのです。そうすると、聞いてもらえるという雰囲気となり、会議のリズムが作られていくという。


面白い点は、ホワイトボードや壁一面に書き出した「スクライブ」の例が数多く示されていることです。百聞は一見に如かず。実際に書いてあるものを見ると、実にわかりやすいし、参加者の理解が深まります。この書き出した「スクライブ」を印刷すれば、会議後には議事録になるので共有化することも簡単になるのです。


・議論の可視化では「発言をありのままに書く」ことが大切だ・・紙でもいいし、ホワイトボードでもいい・・参加者全員が見えるようにメモを取ること・・(p45)


事前の準備が重要

会議はどの組織でも必要なものなので、非常に重要な内容だと思いました。また、参加者中にはリーダーの足を引っぱるために会議でいちゃもんをつけてくる人もいますので、事前の準備はそうした人への対策にもなると思いました。


会議のレベルを高めることで、決めるべきことを決める組織への第一歩となります。会議のファシリテーションを改善したいと思っている人に最適の一冊です。榊巻さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・対策2全体像を示してから各論に入る・・対策1の通り、考えるべきことを小さく切り分けることで思考の効率は上げられる。だが小さくしすぎて議論の全体像を見失うと、かえって迷いが生じてしまう(p134)


・対策2:「読み上げ」をやめる・・資料を作るのは良いことだ。でも会議の場で資料を読み上げる必要があるだろうか・・・読み上げると10分かかる内容なら黙読なら3分で済む(p158)



榊巻亮、日経BP


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章:「会議ファシリテーション」とは何か
第2章:8つの基本動作と「確認する」ファシリテーション
第3章:「書く」ファシリテーションとスクライブ
第4章:「準備する」ファシリテーションと4つのP
第5章:「矢面に立つ」ファシリテーションと合意形成の氷山モデル
第6章:ファシリテーターの7つの心構え
第7章:会議のよくある18の困り事と対策
第8章:議論を促進する簡単な3つの「図解と構造化」
第9章:定着の4段サイクルと浸透の6つのパターン



著者経歴

榊巻亮(さかまき りょう)・・・ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズディレクター。大学卒業後、大和ハウス工業に入社。住宅の設計業務に従事すると同時に、業務改善活動に携わり、改革をやり遂げる大変さ、現場を巻き込み納得感を引き出すことの大事さを痛感する。ケンブリッジ入社後は「現場を変えられるコンサルタント」を目指し、金融・通信・運送など幅広い業界で業務改革プロジェクトに参画。一級建築士


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