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「水力発電は仙台から始まった―三居沢発電所物語」 逸見 英夫

2020/02/02公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(62点)


■明治時代、電気事業はベンチャービジネスでした。
 顧客もなければ、電線もないし、発電機もない。


 宮城県仙台では紡績会社の社長
 菅克復(かんこくふく)が明治21年水車に
 発電機を接続して電灯を点けたのが最初です。


■その後、菅克復は乗り気ではありませんでしたが、
 明治27年に金須松三郎、小林八郎右衛門、
 伊勢斎助、一力健治郎、伊藤清次郎、小野潤蔵らを
 創立委員として仙台電灯の創立が決まります。


 発電機は三居沢に置かれ、そこから
 送電線でお客様に届けました。
 東北の電力は三居沢水力から始まったのです。


 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・明治20年12月15日、上野・仙台間に日本鉄道株式会社の東北線(現JR東北本線)が開通・・・この時期に、宮城紡績株式会社社長菅克復(かんこくふく)、副社長遠藤作兵衛(帰農士族)、佐藤助五郎(四代目・幼名恒太郎)、山崎勇馬(元宮城郡主席郡書記)および株主総代鈴木太郎(仙台区書記)らが発起人となり、「電気灯設置の計画」を発表した(p16)


・菅は将来仙台でも電灯は必要となると考え、自分の経営する紡績工場だけでも点灯したいと・・芝三田四国町の三吉電機製造会社(東芝の前身)で1200燭光のアーク灯一個と16燭光の電球50個、5kWの発電機一個を購入して帰仙した。明治21年6月28日、菅が待望していた機器が到着した。直ちに取水口の烏崎山頂や工場内に取り付けられた・・菅が考案した紡績機用の水車タービンに取り付けた発電機による電灯は、日本最初の水力発電の電灯であり、電力を工場用に利用したのも三居沢が国内で最初である(p28)


・仙台電灯株式会社は、明治27年3月には設立され、6月11日に営業が免許された・・・東京芝三田の三吉電機製造会社に、16燭光600個の電球を点灯できる40馬力の発電機を注文・・・発電機設置の工事が完了すると、つぎの道筋に電線を架設する・・三居沢発電本部より八幡町に架け、八幡町・十二軒町より北三番町・新坂通りまで・・(p36)


・開業時365灯だったのが、明治27年末まで約600灯を突破、さらに需要が増加するので、仙台電灯株式会社は三居沢に新発電所『三居沢第一発電所』を建設した。五代目佐藤助五郎自らが設計監督したこの発電所は、明治28年11年13日に上棟式が行われ、翌29年1月1日から発電を開始した(p54)

   

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逸見 英夫、創童舎


【私の評価】★★☆☆☆(62点)


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■目次

水力発電は仙台から始まった
 日本初の水力発電
 烏崎山頂に狐火が
 電灯会社設立への胎動
 電灯とは水から火だと
 仙台電灯株式会社と3人の佐藤助五郎
 エピローグ・仙台でドイツが動いている
電気開業の祖伊藤清次郎略伝
"キツネ火だ"と大騒ぎ


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