「ヘアサロン 経営プロジェクト: スタッフの夢をデザインする組織づくり」三浦丈英
2020/01/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
勤務時間内に新人教育
表参道に「2交代制」「アカデミー制度」など従来の美容室の常識を壊しつつ、成果を出している美容室があるという。著者の美容室「THEATER」では、従業員を幸せにする仕組みとして2交代で労働時間を短縮しているという。
また、勤務時間内に新人教育することで、従来3年アシスタントとして修行するところを6ヶ月でスタイリストとして仕事ができる仕組みを構築。給与についても50%の歩合給で最低保障月24万円と手厚い制度としているのです。
みんなが幸せになれる仕組み作りをしたかったのです。具体的には,交代制労働にして労働時間を短くする,給与水準を上げる,アシスタント制度を廃止して,なるべく早くスタイリストになれるようにする,1万人の雇用を実現する(p29)
美容師が幸せになれる仕組み
これらはすべて創業時の「美容師が幸せになれる仕組みを作りたい」という思いから出発しているのだという。
新人を教育する時間を作るために店舗は大型とし、1万円以下の単価で稼働率を高めることに成功。さらに高い歩合制により、実力を持ったスタイリストが育ち人気店となっているという。シアターでは歩合給の場合の取り分を,社会保険料込みで50%近くにしているという。
1万人の雇用を目標としていますが、早期の人材育成の仕組みが店舗拡大を可能としているようです。
店舗が大きくなればなるほど家賃も高くはなります・・店舗が大きいとその分,たくさん人を雇うことができ,若いスタッフをどんどん育てることができ・・次の店舗展開への準備ができたりするということになるのです(p66)
美容師が幸せになれる仕組み
美容室の業界も競争が激しく、離職率も高いなど多くの問題を抱えているようです。通常の店では、美容師の離職率は,入ってきた人の半分以上が1年以内にいなくなるという。また、日本のヘアサロンは,開店から1年以内に60%が閉店し、10年以内だと95%も閉店するというのです。
そうした中で従業員が幸せになれる仕組みがあり、かつ業績を上げているというのは希望が持てます。もう少し「THEATER」を見ていきたいと思います。三浦さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・競合相手の状況については・・ありとあらゆるものに目を通し,どれくらいの価格になっているのかをリサーチしました。表参道にあるヘアサロンすべての価格を調べて回った(p84)
・表参道のサロンでは,月に100~200人の新規のお客さまが来てくだされば「成功」と言われていました。それに対して,起業当初僕が目標にしたのは「月500人」の新規集客です(p56)
・今,アシスタントがスタイリストになるために練習する時間は,週に2時間程度といわれています・・・アカデミーのシステムを作りました。これはアシスタントに6か月間,週3日の平日,9時から5時までみっちり技術を指導し、練習をさせて,スタイリストに昇格させるというシステムです(p102)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 美容業界は大丈夫か?
第2章 会社は経営理念に始まり経営理念に終わる
第3章 集客こそがヘアサロン経営のカギ
第4章 人材教育が会社を大きく育てる
第5章 会社はスタッフのためのもの
著者経歴
三浦丈英(みうら たけひで)・・・TEATER 代表取締役。1984年生まれ。北海道函館市出身。高校1年で中退し、15歳から地元函館市のヘアサロンで勤務。働きながら通信課程で美容師免許を取得し、20歳で上京。東京・表参道のヘアサロンで約10年勤めた後、2016年9月表参道に美容師仲間3人と共にTHEATERを設立。設立後6カ月で横浜と埼玉に立て続けに出店し、その後も都内を中心に出店を拡大。2019年4月現在、設立から2年半で8店舗を展開し、従業員数は150名を超える。
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