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「苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」」森岡 毅

2019/05/28公開 更新
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苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

 経営危機にあったUSJをマーケッティング部長として再建した森岡さんが、大学生の長女のために書いた将来や仕事について考える一冊です。まず、仕事を選ぶにあたっては、細かいことはともかく大きな軸を持っていることが大事としています。


 技術が好きなのか、地元で働きたいのか、年収が高いことが良いのか、この業界で働きたいのか。自分はどういう人生を生きていくのか。それが見えていれば、必然的にどういった仕事をしていくのか明らかになるということです。


・自分はどうやって生きていくのか?キャリアとは、その質問に対する一人一人の答えなのだ(p9)


 そしてサラリーマンとして働くとすれば、自分をブランド化することを推奨しています。新入社員の時代は何も知らないから厳しく鍛えられるでしょう。バカな上司の命令に従わなくてはならないこともあるでしょう。サラリーマンとは資本家のために人生の時間を売っている労働者なのです。


 ただ、サラリーマンであっても、自分で判断して自分の道を選ぶ自由はあります。仕事の経験を通じて自分の価値を高め、業界で知られる存在になれば、自分の道を選ぶことができるようになるのでしょう。


・君がコントロールできる変数は、
 1 自己の特徴と理解、
 2 それを磨く努力と、
 3 環境の選択、 
 最初からこの3つしかないのである(p57)


 衝撃的なのは、著者がP&Gに転職したときに、北米パンテーンのブランドマネジャーに抜擢されたときの経験でしょう。シンシナティー本社の社員からすれば、日本のヴィダルサスーンで成功した英語もろくに話せない日本人が上司としてやってきたという状況です。あからさまな業務妨害、いじめ、罵倒に著者は精神的に追い込まれます。しかし、限界ぎりぎりのところでデータに基づくマーケッティングで実績を出し、ディレクターに昇進し帰日することになったのです。言葉のハンデとイジメの職場環境を、著者の負けん気と、マーケッティングの技術で乗り切ったのです。


 著者は「顧客との会議に出てくるな」と言われて、本当に会社に行くのが怖かったのです。しかしそれでは、ブランドマネージャーとしての責任を果たせない。どうせ倒れるとしても、せめて進むべき正しい方向を向いて前のめりに倒れてやる。そうだ、それが私らしい!やってやる!やってやるぞ!と自分を励ましたという。


 著者は、「全力でぶつかったなら、たとえ敗北して前のめりに倒れても、そこから立ち上がれば良いだけだ。そのときの自分は今よりもずっと強くなっているから大丈夫」と言っています。実際に著者も大きな失敗をしましたが、逆に得られた学びや人脈も多いというのです。挑戦により新しい世界が見えるのであり、成功しても失敗しても、今より成長していればよいと著者は言うのです。


・こちらを試すような質問が、私に対してだけあからさまに多く飛んでくる・・重要な情報が私にだけ回ってこない・・・異様に速いスピードで話し始めたり・・・スラングを敢えて頻発したりする・・役員プレゼンのパワーポイントの表紙が、なんとPLAYBOYのセクシー画像と差し替えられていた・・・彼にこう面罵されたのだ・・・You are our liability!(お前はお荷物だ!)(p250)


 私もあと15年したら、自分の体験を同じように書籍として書きたいと思いました。倒れるなら前を向いて倒れろ!という著者の言葉が心に刺さりました。苦しい経験は、必ず自分を成長させているのですから、そんなに悪い体験ではないのかもしれません。森岡さん、良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・20年も生きてきたのなら、君の強みは必ず好きなことの中にある(p121)


・社会人デビューとは何か?それまでの集団でそれなりにできていた自分が、新しい集団の中では一番できない人間になること、とも言えるのではないだろうか。心の準備と覚悟がいるのは、そのギャップが巻き起こす衝撃と不安と苦しさに対してではなかろうか(p225)


・サラリーマンである以上は「後ろ向きな仕事」は避けられない(p240)


・「こんな会社だとは思わなかった」・・そういう人の真相を突き詰めると、こんなはずではなかったのは会社ではなく、自分自身であることが多いのだ(p44)


・君がまず躍起になるべきは、ブランドを構築する一貫とした行動と、結果を出すことにこだわること、その2つだけだ(p198)


・世界は繋がった競争社会だ・・・これからの我々は、戦略的に準備して、精神的に戦うのだ(p145)


・私は、ナイスな人であろうとすることをやめた。森岡さんってどんな人?と聞かれた部下や周辺の人が、もうどれだけ罵詈雑言を述べたってかまわない。ただ一言、「結果は出す人よ」と言われるようになりたい(p242)


苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」
森岡 毅
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★★(91点)


目次

第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ
第2章 学校では教えてくれない世界の秘密
第3章 君の強みをどう知るか?
第4章 君自身をマーケティングせよ!
第5章 苦しかったときの話をしようか
第6章 自分の「弱さ」とどう向き合うのか



著者経歴

 森岡毅(もりおか つよし)・・・1972年生まれ、神戸大学経営学部卒。1996年、P&G入社。日本ウィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネジャー、ウェラジャパン副代表等を経て、2010年にユー・エス・ジェイ入社。革新的なアイデアを次々投入し、窮地にあったUSJをV字回復させる。2012年よりUSJチーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。2017年にUSJを退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。


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