「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」 森岡 毅

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USJを劇的に変えた、たった1つの考え方  成功を引き寄せるマーケティング入門

【私の評価】★★★★★(91点)


■倒産の危機にあったユニバーサル・
 スタジオ・ジャパン(以下USJ)を
 P&Gから転職してきた38歳のマーケッター、
 つまり著者が蘇らせました。


 年1000万人あったUSJの集客数は、
 2009年、2010年には
 700万人代に下落。


 そこで2010年、38歳の著者がP&Gから引き抜かれ、
 マーケッティングの視点から
 他の部門に口出しするようになりました。


 日本では他の部門から口出しされることを
 非常に嫌がりますので、
 部門間で対立が起きたといいます。


 外から口を出されると、
 自分の能力がないことがバレるので
 能力のない人ほど怒るのです。


・2010年の入社当時マーケティング部長だった私は、
 横の関係である他部署の部次長クラスと
 頻繁にバトルになりました。
 それまでは好きなように作れていたのに、
 私が来てからはマーケティングがどんどん
 口出しするので、快く思われていなかったに
 違いありません。それでも消費者が喜ぶもので
 ないと彼らの努力も報われないという信念のもと、
 私たちがガンガン消費者視点からダメ出しをして、
 だんだんその新しいやり方と間合いが
 定着していきました(p31)


■USJの中では、各部門が作りたいものを
 作っているだけでした。
 誰も集客に責任を持っていなかった。


 そこで著者は、顧客に求められる
 ものを提供するようにしました。
 徹底して顧客目線でサービスできるよう
 口を出し、変えていったのです。


 著者が社内の反対勢力に負けない
 精神的な厚かましさがすごいのか、
 著者を採用し支えた社長が偉いのか。


 リーダーが変わり、戦略が変わり、
 打ち手が変わるだけで
 USJはディズニーランドを超えるまでに
 なったのです。


・人というものは、できるだけ他人との
 衝突を回避したがる性質を持っています。
 その結果「皆の意見」という利害を足し合わせて
 頭数で割ったような妥協案を求めがちです。
 いわゆる「落としどころ」です。
 しかい「落としどころ」は、ほとんどの場合において
 消費者目線ではありません(p36)


■この本では、USJには優秀なメンバーと
 優秀な指揮官(ブランドマネージャー)が
 いるとしています。


 この本自体が、
 USJに人材を集めるための
 マーケッティングツールとなっています。


 何事にもムダがないですね
 森岡さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・現在のUSJの盛況は、ハリー・ポッター1つの
 大成功で作られたものではありません。
 最も集客が落ち込んだ2009年度に比べて、
 年間で600万人以上を増やしていますが、
 実はその半分以上はハリー・ポッター以外の
 効果で達成しています。ハリー・ポッターが
 オープンする3年前から、お金のない中で
 無数の新企画を当て続け、毎年値上げを
 しながら100万人ずつ集客を増やすことに成功し、
 軌跡のV字回復を果たしてきたのです(p2)


・ターゲット客層の幅:
 USJが相手にできる客層の幅が狭すぎることが
 最大の問題である。「映画ファンだけのパーク」
 という作り手側の無意味なこだわりのせいで、
 ただでさえ東京の3分の1しかない関西市場を
 さらに小さく使い、自らの首を締めている(p21)


・大人5800円(当時)というチケット価格は
 あまりに低すぎる・・米国や欧州などの他の
 先進国と比較すると、日本のテーマパークは
 世界標準の約半分で安売りされている(p23)


・やることを選ぶということは、
 同時にやらないことを選ぶということ。
 それが戦略の核となる考え方の
 「選択と集中」です(p104)


・戦況分析を本気でやる理由は、市場構造に
 逆らって確実に失敗する「地雷」を避けるためです。
 そしてできればその市場構造を自分の味方に
 つけられるような戦略がないかを考えるためです(p140)


・私は大学を卒業してP&Gという会社に入社し、
 猛烈に強火で経験を積んで、20代後半では
 ブランドマネージャーとして1つのヘアケア・
 ブランドの国内事業の利益責任と組織責任を
 負っていました(p54)


・広告の唯一無二の目的は、その企業の
 ブランド価値を向上させて売上を伸ばすこと。
 にもかかわらず、現在はビジネスを伸ばさない
 TVCMがあまりに多すぎます(p44)


・TVCMを使用している多くの企業のうち、
 一体どれだけが自社のTVCMの効果をきっちりと
 測定分析できているでしょうか?(p47)


・相手が大軍であったとしても、大軍である
 強みの裏に必ずある弱点(統率が難しい、
 速度が遅い、補給が難しい、油断しがちである)を
 衝くべく戦略を立てるのです。
 物事には必ず二面性があります。
 強みの裏には必ず弱みがあります(p127)


・日本人は情緒的意思決定をしがちです。
 理性と感情が一体になてしまっていて、
 合理的に判断を冷徹に下すのが苦手な場合が
 多いようです・・・それが全体にとっては
 正しいことでも、誰かを生かして別の誰かを
 殺すようなことをやるのが苦手なのです。
 突き詰めて合理性を分析し、検証する
 客観的な姿勢よりも、周囲への配慮とか
 属人的な繋がりとか全体の和が重視されます(p190)


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■目次

プロローグ USJがTDLを超えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ



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