「「空気」で人を動かす」横山信弘
2018/09/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(93点)
要約と感想レビュー
気づかれないように空気を変える
ある人が、改革はそこにいる人が気づかないうちに完成させるのがコツだと言っていました。改革とは、職場の悪い勢力から職場の主導権を奪い取ること。だから、改革しようとしたら社員が気が付かないように「空気」を変えてしまえばいいのです。
逆に気づかないうちに、職場の空気が悪くなり、主導権を奪われてしまうこともあるわけです。例えば抵抗勢力に対し、否定的な言い方をすると職場の空気が悪くなります。著者がお勧めするのは、事前に抵抗勢力の言い訳を先回りして布石を打っておくことです。かなり高度なテクニックです。
「場の空気」が乱れると、優秀な人ほどチームを去っていきます。逆に、良い「空気」だと優秀な人材は残り、できない人材ほどその空気に居心地が悪くなり去っていきます(p98)
一部の前向きな人に成果を出させる
では、どのようにして「空気」を良くしていくのか。
リーダーが指導を強めれば、ピリピリした「縛られた空気」になっていきます。ただし、これはパワハラと認識されたり、悪い噂を出して足を引っ張る人に絶好のチャンスを与えてしまうので避けたいところです。指摘するにしても、「私ではなく、別の人が言っていたんだけど・・・」とやんわり伝えるのが正解でしょう。
やはり、一部の前向きな人を先頭に成果を出させたり、原則論をやんわりと伝える。役割を決め、そこを詰めていく。つまり、遠回りのように思えても、「そもそも」の価値観を共有しながら事細かく説明するのです。
また、数字で現状を伝えていくことも大切です。つまり「空気」を味方につけるために、じんわりと職場の人をこちらの考え方に誘導していくわけです。
「原点回帰」をすれば、「締まった空気」に戻ります。「放置」すれば、「緩んだ空気」がエスカレートしていきます。強力なリーダーの下、独善的な指導が始まれば「縛られた空気」へと変わっていきます(p41)
良い空気の職場に社員を派遣する
やはり簡単なのは、良い空気の職場に社員を派遣することだと思いました。「締まった空気」に満ちている一流ホテルや一流レストランを体験させるのです。
百聞は一見に如かず。足を運び、経験することが一番です。そこで価値観を共有できる社員を一人づつ増やしていく。日本の職場での主導権争いは、なかなか難しいですね。横山さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・汚染からチームを守るには・・・・早めに対処(引き締め)・・・早めに対処できなかった場合は、客観的データによる事実(ファクト)の調査(p63)
・人が動くかどうかは、「しっくりくる」かどうかであり、相手の中に答えなどないのです(p80)
・「不燃人」・・組織の方針に従わないし、後ろ向きなことばかり言っていても、ちゃっかり結果を出す人はいます(p49)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★★(93点)
目次
第1章 チームの「空気」を現状分析せよ―ミッション1
第2章 「悪い空気」の元凶を解明せよ―ミッション2
第3章 チームの「空気革命」を遂行せよ―ミッション3
第4章 「空気」を「流れ」に変えよ―ミッション4
第5章 「空気革命」の成功者から学べ―ミッション5
著者経歴
横山信弘Iよこやま のぶひろ)・・・株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。コラムニストとしても人気で、コラム「草創花伝」の月間総アクセス数は200万PVを超える。メルマガ「草創花伝」は全国2万5000名超の経営者、管理者の読者を抱えており、会話形式でNLP理論、脳科学、行動経済学を使ったコミュニケーション技術を紹介するオリジナリティあふれる手法が受けている。
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