「生きていくうえで、かけがえのないこと」若松 英輔
2018/09/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■20個のテーマについて、
二人の作家がエッセイを書くという
企画です。
吉村さんは芥川賞作家、
若松さんは元三田文学編集長です。
こちらの若松さんは、
編集者だけあって、
引用が多い印象です。
・本当に愛することは相手の短所と向き合うことであり、
たとえ誰かを憎むことがあってもその長所に
目を閉ざすことがあってはならない(p115)
■読んでいて真面目な印象ですね。
生きる、死ぬ。
それが人間です。
答えは人それぞれなのでしょう。
若松さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・人は、肉体を維持するために食物を食べる。
だが同様に私たちの魂は、言葉を食べている・・
言葉を心の糧にする、という表現もある。
言葉を味わう、言葉を噛みしめる、
という場合もある(p15)
・書物との邂逅は、人との出会いに似ている。
時が熟していないと、言葉を交わす程度の
接点はあっても出会いと呼ぶべき出来事にはならない。
しかし、茫然と待っていれば出会いは
向こうからやってくる、というわけでもない(p58)
・人は、分かっていると思っていることを
懸命には探求しないものである。
だから、真剣に何かを極めようと思えば、
自分をつねに無知の場所に
置かなくてはならない(p62)
・今に生きることなく過去、あるいは
未来どちらかに大きく傾いている状態を
不幸と呼ぶのかもしれない(p74)
・私たちは、金銭がなくては生きていけない・・・
だが、ほとんどのものはお金では買えない・・・
どんなにお金をもっていたとしても
死を避けることは誰にもできない(p81)
・人間は、働くことによって
自らの生の在り方を模索する。
そして、自身にとっての社会を生みだす・・
働くとは自己を見つめ、
他者と交わりながら、
魂と呼ばれる不死なる実在に
ふれることである(p83)
・もし、人生の一語を書物に見つけることができないなら、
自分の手で書けばよい。
人は誰も自らの人生の危機を救うに十分な言葉を
心の奥に宿しつつ、この世に生を受けている(p120)
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■目次
眠る
食べる
出す
休む
書く
ふれる
悲しむ
喜ぶ
嘆く
老いる
読む
見る
聞く
ときめく
忘れる
働く
癒す
愛する
耐える
念ずる
待つ
憎む
見つめる
壊す
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