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「なぜ中国人は日本人にケンカを売るのか」孔 健

2018/05/21公開 更新
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なぜ中国人は日本人にケンカを売るのか (講談社+α文庫)


【私の評価】★★★★☆(82点)


■2005年頃に小泉純一郎首相が
 靖国神社を公式参拝したことに対し、
 中国で反日デモが盛り上がった頃の
 一冊です。


 中国人の孔さんに言わせれば、
 いっぺんケンカしてみなければ、
 相手の力がわからない。


 だから中国当局は、
 小泉首相の力を試しているのだ、
 という見方をしています。


 歴史を振り返って見れば、
 小泉首相は合格だったのでしょうか。


・中国人は広い意味での騎馬民族である。だから、知らない人間に出会うと、いっぺん、ケンカを売ってみる。なぜならケンカをしないと、相手の本当の力がわからないからだ・・ その点、日本人はナイーブだ。ケンカをすると「こんなやつとは付き合えない」と絶縁状態になってしまう。しかしそれでは、問題は少しも解決しない(262ページ)


■また、2004年には上海総領事館員が、
 カラオケで売春容疑で逮捕され、
 スパイを強要されたうえに
 「一生あの中国人達に国を売って
 苦しまされることを考えると、
 こういう形しかありませんでした」
 と自殺しています。


 中国人の孔さんから見れば、
 中国当局からチェックされている
 上海総領事館員が弱みを
 中国当局に握られること自体が甘い。


 自業自得ではないか、
 という見方です。


・総領事館員自殺事件・・ はたして引っかかった彼が悪いのか、ひっかけた中国が悪いのか?・・不倫でスパイの罠に落ちるとは、お粗末に尽きる。中国がはめた、というより、はめてくれと言わんばかりだ・・自業自得と言われても仕方がない(60ページ)


■日本は正しいか、正しくないか、
 中国は勝てるか、勝てないか、
 が基準なのだと思いました。


 自分が弱く勝てないのであれば、
 強いものに礼を尽くしながら力を蓄え、
 力を付けてから相手を叩き潰す。
 分かりやすいですね。


 中国人から見れば、
 強きをくじき、弱きを助ける日本人は
 ナイーブなのでしょう。


 なぜなら、自分がくじかれる
 可能性が高いから。


 孔さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国には「ケンカをするほど仲良くなれる」という言い方がある。疑問、糾弾、悪口雑言、大いに歓迎。中国人は積極的にケンカを売る。「不打不成交」(ケンカするほど仲良くなれる)と考えるからだ・・・「ケンカ、ときどき仲直り」程度が良いと考える。(33ページ)


・中国人はプライドと愛国心が強い国民だ・・中国のチェーンストアの協会である中国連鎖経営協会理事会が「南京大虐殺」「従軍慰安婦」「731細菌部隊の罪」などを削除した"改悪"歴史教科書を支持している日本企業名を上げて「日本製品ボイコット建議書」を発議した(177ページ)


・中国人は「強者」が好きだ。「事大主義」である。「事大主義」とは「弱い味方より強い敵を選べ」という生き方だ(94ページ)


・毛沢東は朝鮮戦争で・・核爆弾の脅しにより、和平を余儀なくされた・・毛沢東は・・中国がニューヨークやワシントンに原爆を落とす力を持っていたら、戦争に勝てたのに」と悔やんだという。それ以来、毛沢東は、中国の核兵器開発に懸命となった(155ページ)


・共産主義青年団主催の「文芸の夕べ」で、3人の日本人留学生が・・赤いブラジャーを胸につけ、か腹部には男性器を思わせる紙コップ。 もう一人は、段ボール製のロボットのようなかぶり物をつけ、そこには「忍者・寿司・毛沢東・謝謝・中日友好」などの文字が書かれていたという・・ 「昨日の日本人の出し物は、中国人を侮辱している」・・1000人ありのデモが起こり、日本国旗が燃やされたり「日本猪」と書かれた人形が燃やされた・・日本人留学生の宿舎に乱入し、日本人留学生を殴ったり、教科書を破り捨てたりしたという・・ 中国人学生の怒りもよくわかる・・中国ではああいう行為は絶対許されない(69ページ)


※つまり、こういう日本人への行為は中国では許される?


・2006年3月、日本はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の世界チャンピオンとなった・・中国人は、ものごとすべてを政治的に考える民族だ・・まわりの中国人の大人たちは「あの力があるから、日本軍は強いのだ」と驚嘆していた(157ページ)


・本当は、腹のなかで、日本人は「中国人にはかなわない」と考え、逆に中国人は「日本人にはかなわない」と考え、お互いに評価しあっているのではないだろうか。(7ページ)


・国際結婚というと聞こえはいいが、実質は貧乏からの脱出である。「日本への出稼ぎ結婚」なのである。多くの中国人妻は、婚約時の「礼金」(結納金)はもとより、日本へ行ってからも実家への送金を欠かさない。(47ページ)


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■目次

プロローグ 「日本とは戦争だ!」と六歳の子どもが叫ぶ
第1章 セックスからはじまる非難合戦―中国人「鬼嫁」VS.日本人「色狼(シエンラン)」
第2章 靖国論争の根底にある死生観の違い―墓をあばいてでも報復VS.死んだらみな善人
第3章 若者たちの過激な"愛国論議"―強気の中国人VS.弱気の日本人
第4章 オリンピックに命をかける中国人―メダル大国中国VS.スポーツ施設大国日本
第5章 中国軍の本当の実力―見せかけ軍事大国VS.先端兵器大国
第6章 追いつき追い越すためにはなんでもする―公害・偽物大国VS.環境・経済大国
第7章 中国の一党独裁は遠からず崩壊する―独裁大国VS.自由小国
第8章 ケンカするほど相手が見えてくる―二〇〇〇年の交流史から何を学ぶか


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