「殺されたゴッホ」マリアンヌ・ジェグレ
2017/09/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
■自殺したとされるゴッホの死因は、
自殺ではなく他殺ではなかったのか、
という仮定のもとに書かれた小説です。
売れない画家のゴッホは、
弟のテオの支援で生活し、
絵を描いていました。
さらにテオの支援で可能となった
先鋭画家のゴーギャンとの共同生活さえ
うまくいかない。
■ゴッホはイジメられやすい、
誤解を受けやすい、オドオドした
自己評価の低い人間でした。
その挫折と心の動きを読みながら、
絵を見ることで
ゴッホが身近に感じました。
ジェグレさん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・フィンセントの絵は主題が受けないし、
仕上げ方も常識をはずれている。
あふれんばかりの色彩も動きださんばかりの風景も、
この店に来る客には喜ばれない・・
熟練の技が評価されるのだが、
フィンセントの絵はというと、
やっつけ仕事にしか見えない(p47)
・フィンセントの耳に聞こえてくる声は、
父親を失望させたこと、
何ひとつ満足させずに父親を
死なせたことを責める。
それから何度も家の名を汚したことを責め、
親戚がいろいろ手を差し伸べてくれたのに、
その期待にまったく
応えられなかったことを責める(p229)
・一日も休まずに描いていれば、
何かを未来につなげられるかもしれないと
思うのさ(p319)
・<歯も抜け、息もできなくなったとき、
わたしは絵を手に入れた>・・
なかば放心状態で、ただドラクロワの
この言葉が頭の中を駆け巡っていた(p366)
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
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