「アラビアの夜の種族〈1〉」古川 日出男
2017/09/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(72点)
■ナポレオン率いるフランス軍が、
エジプトに迫ろうとしている。
ナポレオンと戦ってもエジプトは
勝てるはずがない。
ナポレオンを骨抜きにするために、
何を準備するのか。
それは、書物(物語)です。
・フランク族に武力で抗しても、
これは無駄かも知れませぬ。・・
ならばべつの手段に訴えるしかないでしょう・・
金銀財宝でも、美女つきの宮殿でも、
あるいは頒けあたえる土地でもありません」・・
それはいったいなんなんだ?」
「それは書物でございます」(p39)
■そして、その物語が作られていく。
戦いと魔術の世界。
後半はファンタジーになってしまいました。
自分の趣向に合わないので
72点としました。
古川さん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・エジプト領内に侵攻したフランク族は・・
十字軍時代に難なくイスラーム側に撃破されている・・
近代戦のなんたるかなどわかるはずもなかった(p18)
・これは略奪戦争にほかならない。
東方に、おのれの一大帝国を樹立したいと
妄想する28歳の常勝将軍ボナパルトの。
壮大な夢。
しかし莫迦げた夢。
その夢が歴史をひずませる(p24)
・ヨーロッパ人は一般的にいってエジプト暮らしの
東洋人を怠惰で頽廃的な人種と見ていたし、
いっぽうの東洋人は・・つまりエジプト人、
それから異邦出身のマムルークたちだが・・
エジプトに滞在するヨーロッパ人をひとしなみに
卑劣で癇癪もちの輩と見ていた。
たがいに異教徒であるとは交流と款待の
いっさいを欺瞞に変えた(p26)
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【私の評価】★★★☆☆(72点)