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「理屈はいつも死んでいる」高原 慶一朗

2017/08/09公開 更新
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「理屈はいつも死んでいる」高原 慶一朗


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

建材製造から生理用品製造に転身

ユニ・チャームの創業者である高原さんの一冊です。建材製造から生理用品製造に転身したのは、高原さんの現場感覚にありました。日本では買いにくい生理用品が、アメリカのスーパーで"公然"と売られているのを見て、日本もいずれこうなると確信したのです。


アメリカで起こったことが10年後に日本で起こるという人もいますが、アメリカを参考にするタイムマシン・アイデア法なのでしょう。とにかく現場に出て、現場を観察して、気づいたことをメモし、考え続けることで道が開けるというのです。


現場をじっと凝視していると、そこにヒントが見つかる。あるいは、こちらの心の中にヒントが芽生えてくる。現場に身を置いていれば、解決策のない問題などないことがわかってくる。その意味で、現場には神が宿っています(p34)

大学ノートへメモを書く

高原さんが継続しているのは、大学ノートへメモを書くことです。一日も欠かすことなく、現場で気づいたことをメモする。それを時々読んで振り返る。その繰り返しが新しいアイデアを生み、新しい行動の出発点となったのです。常に考えるためのツールが、大学ノートへのメモなのです。


そうして問題意識をもち、いい解決策はないか、どうしたらもっとスムーズに事が運べるかと、考えつづけていると、ある日ひらめくというのです。何かについて絶えず人に、良いアイデアが与えられるというのです。


経営や仕事に限らない全天候型、全方位型のメモで、あらゆることに関して、気がついたこと、心に残ったこと、印象深い言葉や情報、役立ちそうな意見や知識、その感想など、すべて大学ノートに書き留めています(p89)

不満をいうのではなく不満を解決する

著者は、やるべきことに没頭してみることを推奨しています。つまり、不眠不休で寝食を忘れて仕事に没頭するのです。仕事に不満をいうのではなく、仕事の不満を解決しようとする人がいい人だという。仕事の情熱と周囲への思いやりがバランスよく保たれている人が、仕事ができる人間だという。


現場を知り、気づいたことをメモしていたら、会社が大きくなりました、という本でした。常に現場で会社の課題を考えているからこそ、良いアイデアが生まれるのだと感じました。高原さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・勝海舟がいい残したように、「世間は生きている。理屈は死んでいる」・・(p7)


・たとえば、お客さまの使用感覚、その快・不快を肌で感じるために、紙おむつやナプキンを、開発部員のみならず男性の営業マンが実際にズボンの下に身に着けてセールスの現場へ出向く(p19)


・お客さまが神さまなのではなく、お客さまは常に現場の体験や反映であるから、その声や苦情が尊いのです(p35)


・優秀なビジネスマンほど、リスクをとりながら、リスクを回避するものです。優れた人はリスクに対しては勇敢でありながら、同時に、非常に臆病でもあり、可能なかぎりあらゆるリスクを洗い出して最悪を想定しながら手を打つのです(p180)


「理屈はいつも死んでいる」高原 慶一朗


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

1章 本質を突く「勘」は現場から
2章 仕事に心を投げ入れる
3章 体ごとぶつかって人を育てる
4章 「理屈を超える力」を育む生き方



著者経歴

高原慶一朗 (たかはら けいいちろう)・・ユニ・チャーム社長。1931年生まれ。1953年大阪市立大学商学部卒業。1961年に大成化工(株)(現、ユニチャーム)を設立し、生理用品と紙オムツの分野でトップシェアを持つまでに育て上げた。ニュービジネス協議会特別顧問、経団連常任理事、通産省産業構造審議会委員など活躍の場は広い。


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