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「会計は一粒のチョコレートの中に」林 總

(2017年7月 5日)|本のソムリエ
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会計は一粒のチョコレートの中に


【私の評価】★★★☆☆(79点)


■業績不振のチョコレート製造企業を
 アメリカでMBAを取得した主人公が
 再生させるという一冊です。


 現在の企業のオーナーは創業者の娘。
 その娘婿が社長なのですが
 無能という設定です。


 その無能社長は
 現役銀行マンを引き抜き、
 会社の再生を目指します。


 ところがその再生の方法は、
 粉飾決算でした。


・粉飾の手口・・部品を出荷するごとに10%の利益を乗せて売上に計上していたのだ、期末直前に大規模に部品を外注先に移させれば、簡単に売上高と利益をかさ上げできる(p133)


■一方、招聘された主人公は、
 無能社長と粉飾銀行マンの陰謀により、
 不振のチョコレート部門が移転された
 子会社社長に就任させられます。


 赤字体質の事業、
 膨れ上がった製品群、
 稼働率の低い設備・・。
 資金がショートする前に、
 手を打つ必要があります。


 リストラにより赤字を止め、
 膨れ上がった製品を絞り込み、
 将来の柱となる事業・商品開発に
 投資する。


・種類が違えば原価も違うはずだ。だから、利益率も異なってくる・・
 1 製品1つあたりの売価、原価、粗利益
 2 製品別売上高、粗利益
 3 得意先別売上高、貢献利益
 4 営業マン別売上高、貢献利益(p129)


■教科書的な内容となっています。


 どんぶり勘定から
 部門別、製品別の管理会計の
 必要性がわかりました。


 そして、
 時代遅れの商品は廃止し、
 利益の出る商品に集中し、
 将来の商品を開発するのです。


 林 さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・流動性危機(※資金ショート)の方が、収益性危機(※赤字)よりも大きな被害を与えるのが普通である。収益性危機の場合、利益が最もあがっていない最も時代遅れの事業や製品を売り払うか、縮小することになる。これに対して流動性危機の場合、利益が最もあがっているか、最も期待できる部門を売り払うことになる(『未来企業』ピーター・ドラッカー)(p3)


・東芝の経営陣は収益性危機を隠蔽するのに忙しく、会社存亡の要である流動性危機の回避を怠ったわけです。「利益さえ出ていれば自らは安泰だ」(p3)


・新しいことに対して慎重になりすぎる・・経理マンには少なからずこの傾向がある・・同じ資料をコツコツと正確かつ素早く作成することが経理の能力と信じている(p51)


・どんな手を使っても、決算書の利益はプラスにすることだ。なぜなら、利益が出ていれば銀行は融資に応じてくれるからだ。借入の必要がなくても借りてほしいとすり寄ってくる。だが、赤字会社には容易にお金を貸さない(p103)


・顧客のニーズに合った製品の品揃えをして、その結果、一時的に売上が増えても長続きするとは限らないんだ・・顧客の関心を引き続けることがいかに大変かを、嫌というほど思い知らされてきた・・(p146)


・「シンデレラ」と「ダイヤモンド」を見つけて「明日の稼ぎ頭」に押し上げ、「明日の稼ぎ頭」を「今日の稼ぎ頭」に育てることだ(p170)


・部門別損益表は何を基準にして共通固定費を配賦したのか・・共通固定費の配賦基準は売上高ではなく、時間にするのが理に適っている。確かに労務費は就業時間の方が納得するし、機会も人が張りついている時間かな。ただ、販売共通費はこれまでの売上高基準の方が良さそうですね(p108)


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【私の評価】★★★☆☆(79点)


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■目次

第1章 浩介、罠にはまる
第2章 いまだ危機が見えず
第3章 利益の魔術師
第4章 北極星をめざせ
第5章 ついに魔術師の馬脚が露になった
第6章 10対90の法則には背けない
第7章 製品にも寿命がある
第8章 新規事業が成果をもたらす
第9章 ルリの友情
第10章 結果は後からついてくる
最終章 結果は計画で決まる


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