【書評】「[図解]借金40億円を返済した私の仕事術」湯澤 剛
2017/06/28公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
倒産寸前の居酒屋チェーンの社長となる
著者は経営者である父の死によって、いきなり借金40億円、倒産寸前の居酒屋チェーンの社長になりました。
本部の社員は1人だけ。店舗では板前が勤務中に飲酒。メガバンクからは資金返済要請。精神的に追い詰められた著者は、電車に飛び込みそうになります。
これではまずい!と思った著者は、見えない恐怖と戦うため、最悪のケースを考えました。最悪の場合でも、破産すればいいのだなと考えると、心が軽くなったのです。そして、やっと目の前の課題に手をつけることができるようになったのです。
「最悪の事態」を紙に書き出す・・要は「破産計画」を立案した(p26)
売上金の持ち逃げや仕事中にマージャン
店舗では売上金の持ち逃げ、板前同士のケンカ、仕事中にマージャンなどめちゃくちゃな状況でした。そうした問題に一つひとつ、手を打っていきます。
自社ビルの売却。1店舗にしぼって改装。1店舗だけ成功店舗をつくろうとしたのです。
また、社員一人ひとりに声掛け。社員70名の一人ひとりと「1対1の関係」をつくろうと考えたのです。店舗を回った際には、社員に「大丈夫?」と必ず聞くようにしていました。
社員の「心の導火線」に火をつけるために商品開発担当者数人と、東京の繁盛店の視察に行ったこともあります。
店舗を縮小し、優良店残す。表彰制度をつくる。経営者とはあらゆることに手を打っていかなくてはならないのですね。
「当面策」と「根本策」を並行して進める・・ 当面策は本社事務所で朝に対処し、根本策は別の会議室で夜に考えることにした(p30)
いずれ道は開ける
最後には、「すべてはお客様と働く仲間の笑顔と喜びのために」という会社方針に到達しています。
著者は会社再建の過程で、人の痛みがわかり、人に感謝できる人間になったのです。サラリーマン時代は傲慢で自己中心的な人間だったという。
特に中小企業では、社長がすべてを決定する場合が多く、それらがすべてが業績に反映されるのだと思いました。
あきらめなければ、いずれ道は開けるのです。湯澤さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・一定の期間だけ必死にやろうと決める・・5年後、状況が変わっていなければ「計画」に従って会社を清算する(p29)
・資源を「強み」に集中する・・ターゲットを中高年男性客に絞り直した(p36)
・ダメだった店に優秀な店長が入ると、1ヵ月に0だった利益が200万円くらいになることもある・・人が利益を生み出す(p64)
・「味方がいる」という安心感をもつ・・不安な顔を見せない妻、つねに励ましてくれた信金の人々(p84)
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【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
第1章 返せないほどの借金を背負ったとき、どうするか
第2章 ダメになった組織を立て直す
第3章 問題社員のやる気をいかに引き出すか
第4章 最悪のとき、自分の心を支える方法
著者経歴
湯澤剛(ゆざわ つよし)・・・株式会社ユサワフードシステム代表取締役。1962年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、キリンビールに入社、国内ビール営業を経て、ニューヨーク駐在、医薬事業本部海外事業担当などに従事。1999年、創業者であった父の急逝を受けて、株式会社 湯佐和を引き継ぐ。40億円という莫大な負債を抱え、倒産寸前の会社を再生、2018年に株式会社ユサワフードシステムを設立した。現在は神奈川県下で海鮮居酒屋を経営するかたわら、「あきらめなければ道は拓ける」をテーマに、全国各地で講演活動を行っている.
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