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「仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実」春名 幹男

2016/10/30公開 更新
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「仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実」春名 幹男


【私の評価】★★☆☆☆(62点)


要約と感想レビュー

 共同通信は意図的に反日を煽る記事が多いのですが、元共同通信記者であるこの人はどんな人だろう?と思い、手にした一冊です。


 著者の論理はいつも同じです。「米国は信頼できない」で→「日本を守らないかもしれない」→「日米同盟を見直ししよう」という論法です。このような論法で、戦前、日露戦争勝利に導いた日英同盟を破棄させた人たちも、同じ論法を使っていたのでしょう。騙されてはなりません。


 軍事同盟とは失うものが多く、大きな妥協をし続ける必要があります。それでも大切なのが軍事同盟であり、国家の安全を守るために必要だからそれだけの苦難や受け入れがたいことを受け入れなくてはならないのです。何が本当に大事なのか、その点を見失ってはならないのでしょう。


 春名さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・安倍晋三首相の論理はいつも同じ。「集団的自衛権の行使」で→「日米同盟」が強化され→「抑止力」が向上する、という論法だ


・米国がどれほど信頼できる同盟国か、きちんと精査したことがあっただろうか(p8)


・新しい「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」・・・米国の関与は改行して、別個に記述されている。しかも「自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施する」としているだけ(p39)


・この文書のポイントは、第一に、在日米軍は日本防衛のために駐留しているわけではなく、韓国、台湾、東南アジアの防衛のために日本に駐留している(p49)


・日米地位協定上では米側が支払うべき基地労働者の給与や光熱水費、訓練移転費も日本側が負担、1800億円規模に達している(p77)


・1971年7月9日秘密訪中した、キッシンジャー・・・「逆説的だが、日米防衛協定は日本が攻撃的政策を遂行するのを防いでいる」と断言した(p181)


「仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実」春名 幹男


【私の評価】★★☆☆☆(62点)


目次

はじめに―アメリカは頼れる同盟国か?
第1章 アメリカは日本を守ってくれるか
第2章 米機密文書は語る
第3章 アメリカ依存を誘導する戦略
第4章 裏切りの沖縄返還
第5章 「繊維」の欺きと報復の「ニクソン・ショック」
第6章 米中の狭間で翻弄される日本
第7章 尖閣諸島問題におけるアメリカの本音
結論に代えて―同盟の疲労



著者経歴

 春名 幹男(はるな みきお)・・・ジャーナリスト・早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコース客員教授。1946年、京都市生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学)卒業後、共同通信社入社。ニューヨーク特派員、ワシントン支局長、特別編集委員などを歴任。在米報道歴12年。1994年ボーン・上田記念国際記者賞、2004年日本記者クラブ賞受賞。2007年から10年まで名古屋大学教授


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