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【書評】「安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生」安田 隆夫

2016/04/25公開 更新
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安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー


貧乏旅行で世界を回る

ドン・キホーテというと、雑多な品ぞろえと夜まで開いている、という印象ですが業績は良いらしい。この本では、創業者である安田さんの半生と経営のコツを学びます。


安田さんは、大学卒業後、就職しましたが会社は倒産。マージャンで金を稼ぎながら、貧乏旅行で世界を回るプータローをしていました。そうしたとき、ふらりと立ち入ったディスカウントストアで自分でもできそうだな、と感じ「泥棒市場」を創業したのです。


大学卒業後に就職した会社が倒産してから「泥棒市場」を創業するまでの約五年間は定職にもつかず、ギャンブルで食いつなぐような放浪と無頼の青春だった(p5)

深夜販売と圧縮陳列とPOP洪水

商売も知らないシロウトですから、仕入れから陳列まで自分一人で試行錯誤です。売上が上がらないから試行錯誤するしかありませんでした。


そうした試行錯誤の中から、深夜販売が生まれ、圧縮陳列とPOPの洪水がドンキホーテのスタイルとなったのです。


なんとか生き残るための活路を必死で考える・・すると、ある瞬間に天啓のようなひらめきがやってくる・・半信半疑でその方策を試してみると、これが見事に当たる・・・その繰り返しが、私とドンキの歴史だ・・どん底に陥るたびに、それが新たな福を呼び込んでくれたのだ(p6)

従業員に仕入れから決算まで任せる

究極の試行錯誤は、従業員に担当売場のすべての権限を委譲したことでしょう。いくら教育しても、その安田さんの破天荒な仕入れと陳列のコツをだれも理解してくれなかった。


最後に行きついたのが、担当の売場について従業員に仕入れから決算まですべてを任せる方法だったのです。アメーバ経営の小売り版だと思いました。安田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・夜遅く来店されるお客さまは、たいがいアルコールが入っているせいもあってか、ゴミ山のような商品でも、逆に面白がってよく買って下さった・・私は、進んで深夜営業を開始した(p45)


・廃盤品、サンプル品などを堂々と販売する。倉庫はない。ギュウギュウに商品を詰め込み通路さえ歩けない。さらに夜中も営業する。明らかにこれらはすべて、当時の流通業の「非常識」である(p51)


・私の"鉄板手法"は、バブルの時は一切動かず、バブルが崩壊したと見るや、集中的に土地や物件を仕込み・・ITバブル崩壊時もそうだったし、その後2008年のリーマンショック後のバブル崩壊時もそうだった(p117)


・百の挑戦で一つか二つ当たればいい方である。大切なのは、傷を大きくしないうちの見極めと見限りだ。早期撤退を断行するからこそ、次の挑戦が可能になる(p152)


・「はらわた」とは、もがき苦しむ力であり、紆余曲折しながら最後に這い上がろうとする一念だ。私は人生でも仕事でも、「もうダメだ」と進退きわまる局面に幾度となく陥った(p189)


・実際の経営の場においては、もっともらしい理屈や提案などが色々と出てくる。しかしそれらに乗っかると、たいがい間違えてしまう・・・凡庸な案に始まって、凡庸な失敗に終わるのだ(p210)


・私の行きついた結論が、「結局、人は人のことなど分からない」・・一定期間をかけながら、じっくりとその真贋を見極めるに勝る評価・判断方法はない(p224)


安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生 (文春新書)
安田 隆夫
文藝春秋
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【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

はじめに 若者よ、「はらわた」を振り絞れ!
第1章 絶対に起業してみせる
第2章 ドン・キホーテ誕生
第3章 禍福はあざなえる縄の如し
第4章 ビジョナリーカンパニーへの挑戦
第5章 不可能を可能にする安田流「逆張り発想法」
終章 波乱万丈のドン・キホーテ人生に感謝



著者経歴

安田隆夫(やすだ たかお)・・・1949年岐阜県大垣市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、不動産会社に就職するも入社10カ月後に倒産。1978年、東京・杉並区にわずか18坪のディスカウントショップ「泥棒市場」を出店。深夜営業でヒットし成功を収めるが、5年で売却し、卸問屋「リーダー」を設立。これも大きな利益を上げるが、小売業への再参入を決意し、1989年に「ドン・キホーテ」1号店を東京・府中に出店。幾多の失敗や苦難を乗り越えながら急成長を続け、創業以来34期連続増収増益という驚異的な偉業を達成。現在はPPIHグループ(旧ドン・キホーテHD)創業会長兼最高顧問


ドン・キホーテ関連書籍

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