「進化考古学の大冒険」松木 武彦
2015/06/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
考古学は面白い。人間は、どう進化してきたのか、化石や石器から推察できるのです。何百、何千世代もの命のつながりから人間は進化してきたのです。
面白いのは1万年前の氷期から間氷期へ温暖化したことにより、ホモ・サピエンスが現代と同じように植物の炭水化物を採食するようになったということです。700万年のヒトの進化過程のなかで考えれば、炭水化物の主食としてその他の副食を食べるということは、ごくごく最近のことなのです。人類進化の700万年間のほとんどは、ヒトは地上を歩きまわって屍肉や骨、果実や野草をあさる生活が続いたと考えられるのです。
ホモ・ネアンデルターレンシスのように途中で、絶滅した種もある中で、人間は、生き残ってきたのです。面白いことに、ホモ・ネアンデルターレンシスが絶滅した約20万年前に、骨を打ち割る鈍器から、獣を倒して解体する利器へ変わったという。どうして人間が生き残ったのか、数千年レベルで考えると興味深いことです。
松木さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・イヌは、もともと人間がオオカミを飼い慣らしたものである(p14)
・日本列島で発見されている最古の人工物は、確かなところで四万年前ほど前のナイフ状やヘラ状の石器だ(p70)
・「縄文人」などという人間集団が、実際にいたわけではない。縄文時代とは、稲作農耕伝来というエポックをはさんで、それよりも前の一万年以上にわたる長い期間を、考古学者が研究上の認識でそう名づけたものだ(p110)
【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1章 ヒトの基本設計―進化考古学とは何か
第2章 美が織りなす社会―ホモ・エステティクスの出現
第3章 形はなぜ変化するのか―縄文から弥生へ
第4章 狩猟革命と農耕革命―現代文明社会の出発点
第5章 われら倭人なり―民族の誕生
第6章 ヒトはなぜ巨大なモノを造るのか―人類史のなかの古墳時代
第7章 文字のビッグバン―国家形成の認知考古学
著者経歴
松木武彦(まつぎ たけひこ)・・・1961年、愛媛県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岡山大学文学部准教授(専攻は日本考古学)。モノの分析をとおしてヒトの心の現象と進化を解明し、科学としての歴史学の再構築を目指している。2008年には『列島創世記』(小学館)でサントリー学芸賞を受賞
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