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「悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東」中川 右介

2015/06/03公開 更新
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悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)

【私の評価】★★★★☆(85点)


■「悪貨は良貨を駆逐する」
 「悪は栄える」
 と言われます。


 この本では、いかにして、
 ヒトラー・スターリン・毛沢東が
 権力を握ったのか検証します。


 それぞれ特徴がありますが、
 共通するのは「正義は勝つ」
 という考え方は甘いということ。


 いかに権力を握るのか。


 そのためには、
 論理や義理ではなく、
 勝てるための選択をしています。


・権力を維持するには、
 思想がないのがいちばんいい・・・
 インテリの真面目さは、ひ弱さでもあった・・
 スターリンは性格も人格も嫌われていたが、・・
 常に多数派を支持した・・(p233)


■さらなる共通点としては、
 権力を握ってからは
 ライバルを粛清したことでしょうか。


 ある時は、難しい仕事をさせ、
 ある時は、手を結び、
 ある時は、弱みをにぎり脅迫する。


 敵の敵として利用可能なら利用し、
 敵となるなら粛清するのです。


・あらゆる反対勢力を粛清する
 粛清は堂々と行い、人々に恐怖心を植え付け、 
 逆らう気力を奪う(p214)

■ナチスとソビエトは消滅しましたが、
 中華人民共和国共産党は現存しています。


 悪は亡びるのか、
 それとも
 悪は栄えるのか。


 たぶん
 最後に勝った人が正義であり、
 負けた人が悪になるのでしょう。


 中川さん、
 良い本をありがとうございました。


────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・誰からも嫌われている者を徹底的に排除し、
 黙認した人々が逆らえないようにする(p210)


有能な部下には困難な仕事をやらせ
 手柄は自分のものに、
 失敗したら失脚させる(p133)


・手におえない分野は無理しない。
 適任者に任せる(p153)


・自分が勝てるように
 会議の構成メンバーを決めた上で、
 勝負する(p194)


・最終的に権力を握るまでは、
 裏方のような目立たない仕事を率先してやっていればいい。
 そしてとにかく情報収集と情報管理だ。
 情報を制し実務を制して組織を掌握する者が
 勝利するのだ(p111)


・言い逃れが可能な道をひとつ残す(p78)


・スターリンは会議では・・・全員がそれぞれの
 意見を言うのを聞き終えてから、発言する。
 まず、今までに出た意見をいくつかに分類し、
 それぞれを比較してみせる。・・・
 彼自身の意見を述べると、
 いつの間にかそれが会議の決定事項となる(p31)


・自分よりも前からいる古参社員は
 窓際あるいは日陰に置くことで、
 自分から出て行ってもらうのがいちばんいい(p143)


悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東 (幻冬舎新書)
中川 右介
幻冬舎
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【私の評価】★★★★☆(85点)


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■目次

第1部 立身
 スターリン―仁義なき戦い
 ヒトラー―意志の勝利
第2部 栄達
 スターリン―継ぐのは誰か
 ヒトラー―我が闘争
 毛沢東―大地の子
第3部 野望の果て
 ヒトラー―国盗り物語
 スターリン―バトルロワイヤル
 毛沢東―ラスト・エンペラー


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