「ザッポスの奇跡(改訂版)~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」石塚 しのぶ
2014/06/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
要約と感想レビュー
アメリカのオンライン靴屋さんザッポスは、お客様対応がすごいらしい。お客様の事情によって、返品の靴を取りに来てくれたり、手書きのメッセージを送ることもあるという。感動が口コミを生むのです。
実際、ザッポスのビジョンは、「至上の顧客サービスと体験を提供する」となっています。かっこいいビジョンに対し、実際の仕事に差がある企業が多い中で、ビジョンと言行一致というところが素晴らしい。
・指導より問いかけを重視する実習・・・『こうしたらいい』という指導はしません。むしろ、『どうしたらベストだと思うか』を問うようにしています(p145)
こうした対応ができるのは、ザッポスでは現場の対応者に権限を与えているからです。ホテルや、ディズニーで感動の対応ができるのは、実際に裁量権があるからでしょう。そして、そうした対応することが、ビジョンで明確になっており、教育され、推奨されているのです。
したがって、ザッポスには売上ノルマはないし、売上やコストを指標として個人を評価することもしないのです。あくまでも顧客がどう感じるのか、お客に至上のサービスを提供するのかが重要ということです。
・スクリプト(マニュアルのようなもの)も対応時間の制限も存在しない、常識破りのコンタクトセンターです。顧客の心を揺り動かすためなら、「ほとんど何をしてもよい」裁量権をオペレーターがもつ・・・(p229)
やや表面的な内容となっていましたが、実例や従業員が出てくると面白かったかもしれません。日本にもそんな会社があるといいなあ~、と思いました。
石塚さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・ザッポスには常勤のライフコーチがいて、「ゴール・コーチ」と呼ばれています・・・相談内容は、仕事に関することでも私的なことでも、なんでもよいのです(p182)
・ザッポスのブログ・チームの目標は、「ブログを通してお客様や世間の人たちにザッポス・カルチャーをよりよく知ってもらう」ということです・・・トラフィック数やコメント数ばかりに心を砕いていたら、本来の目標達成は叶わないでしょう(p189)
・人間でも会社でも、傲慢になったら必ず崩壊する(p198)
・ザッポス本社の受付ロビーにある「ザッポス・ライブラリー」と呼ばれる本棚には、トニーをはじめザッポスの経営トップが、「社員にぜひ読んでほしい!」と推薦する本がずらりと並んでいます・・・持ち帰って自分のものにしてもかまわないのです!(p295)
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
目次
第1章 ザッポスとはどんな会社か?―流通におけるサービス革新
第2章 ザッポスのサービス―従来のサービスを超える企業
第3章 ザッポスの企業文化―感動サービスを育むコア・バリュー
第4章 ザッポスの経営戦略―人を最大の資源と考える企業文化
第5章 ザッポスが育む「人」―「個」を活かして強みをつくる
第6章 ザッポスから学ぶべきこと―自社に取り入れたいサービス、そして制度
第7章 ザッポスから学ぶリーダーの心得
第8章 ザッポスの飽くなき挑戦―アマゾンによる買収、そしてザッポスの今後
著者経歴
石塚 しのぶ・・・日米間ビジネス・コンサルタント、Dyna‐Search,Inc.(ダイナ・サーチ・インク)代表取締役。日本生まれで現在はアメリカ在住。南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。その後、コニックスバーグ・インストゥルメント社(カリフォルニア州パサデナ市)にて、NASAプロジェクトのプログラム・マネージャーを担当、プロジェクト・マネージメントのスペシャリストとして経験を積む。1979年、カリフォルニア州認定技術士のライセンスを取得。1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、Dyna‐Search,Inc.をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。トニー・シェイに多くのインタビューをするなどして、ザッポスを緻密に研究。
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