「ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント」藤田 勝利
2013/10/28公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
ここのドラッカースクールとは、ピーター・ドラッカー本人が教える米カルフォルニア州クレアモント大学院大学の「ドラッカー・スクール」です。なんとセブン&アイ・ホールディングスの伊藤会長も多額の寄付をしているとのこと。
著者は、ここで何を学んだのでしょうか。それは単なるコンサルタントのためのフレームワークや事例分析だけでなく、事業を経営するワクワク感です。知識よりも、起業家精神を学んだのです。
・事業はやはり「顧客に喜ばれる価値を届けたいという想い」「情熱やわくわく感」から始まるものであり、それがあって初めてフレームワーク的な整理や分析が活きてくるのではないでしょうか。(p89)
ドラッカーは、"企業の目的は、顧客の創造である"、と言っています。創造するのは、当然、コンサルタントでもなく企業にいる人。あなたです。自らが、考え、社内の抵抗を排除し、商品を社会に出していく必要があるのです。
ドラッカーというと、抽象的で難しいイメージでしたが、この本は具体例が多くわかりやすい。 そして、マネジメントとは、学校で学ぶものではなく会社の中で学ぶものだと感じました。藤田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・社内の知恵だけでは足りない所を外部の優秀な人材の知見や経験を活用するという経営判断は正しいと思います。ただ、それは「活用・利用する」ものであって、それに依存すべきものではありません。(p94)
・リーダーの第一条件とはフォロワーがいることです。・・・そのビジョンに共鳴しついていく人がいない、つまりフォロワーがいないのであれば、本質的にはリーダーとはいえません(p211)
・経営的リーダーシップの不在が情報システム開発を迷走させる・・・全社最適な視点で必要なものには惜しみなく投資をし、不要な機能にはしっかり「No」と言える、こうしたリーダーシップが必要です(p262)
・ドラッカー教授は、この「一律のコストカット」に強い疑念を抱いていました。・・・事業ごとに、市場でのポジション、成長性、顧客が求める要求、必要な人員数や人材像、競争優位の源泉は異なってきます(p164)
・「バランスト・スコアカード」は経営の哲学(p192)
日本実業出版社
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
1 「セルフ・マネジメント」から始まる
2 マネージャーは何をめざすのか
3 マーケティングの本質ー顧客創造的な会社とは
4 イノベーションという最強の戦略
5 会計とマネジメントの「つながり」
6 成果をあげる組織とチーム
7 情報技術とコミュニケーションについて本当に大事なこと
著者経歴
藤田 勝利(ふじた かつとし)・・・1996年上智大学経済学部卒業。住友商事株式会社、アクセンチュア社勤務後、2004年米Claremont Graduate University P.F Drucker Graduate School of Managementにて経営学修士号取得(成績優秀者表彰)。2005年よりIT系ベンチャー企業にてマーケティング責任者、事業開発担当執行役員等を歴任。2010年経営コンサルタ ントとして独立し、Manage For Goodを創業。2013年PROJECT INITIATIVE株式会社設立。
ドラッカー関係書籍
「未来を大きく変えるドラッカーの問い Drucker for Survival ドラッカー・フォー・サバイバル」井坂 康志
「ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント」藤田 勝利
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎 夏海
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