「僕らの仕事は応援団。 心をゆさぶられた8つの物語」我武者羅應援團
2012/09/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
要約と感想レビュー
敗戦後、廃墟の中から経済大国になった日本を見ると、日本人は平均的にまじめだし、熱いヤツが多いのだと思います。そしてこの本に、一人、まじめで熱くてバカな日本人を発見しました。
著者の武藤さんは高校に入学し、応援団に入団します。しかし、2週間で応援団を退団。逃げ出してしまったのです。応援団に入団したのは著者がたった一人だったのです。そのために、応援団の歴史は37年間で終わってしまいました。
そして15年後。著者は、応援団をやろうと決心したのです。もちろんプロの応援団です。プロということは、本気で生きる覚悟をかけて応援するということです。著者はその気持ちを、自分の気持ちに嘘をついて「いい人だね」と言われるより、やりたいことをやって「バカ」と言われた方がよっぽど誇らしかったと語っています。
・我らの生き様は美しい。そう言うからには、ガムシャラでなければならない。本気で生きる覚悟を、自分達に問いかけるのだ(p156)
この本には、応援団が出会った感動のストーリーが8つ収まっています。飛び出していった息子を応援するお父さん。24時間マラソンを一緒に24時間応援したこと。母子家庭の10歳と8歳の女の子からの応援依頼。 泣けちゃいますね。
我武者羅(がむしゃら)應援團さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・大人になって、応援団をやってはいけないという法律は、どこにもない!・・・だからさ、今からみんなで応援団やろう。一緒に熱く生きようぜ!(p189)
・24時間ひたすら走り続ける。周りから見れば、はっきり言ってバカバカしいマラソン大会だと思う。でも、ランナー達は・・・自らのために走り、自らやりきって、そして泣いている(p62)
・「うちの生徒はいい子達ですよ」と先生が褒める学校は、生徒達も目をキラキラさせている。・・・周りの大人達が自分達をどう思っているか、きっと子どもは感じているのだろう。大人が思っている以上に、敏感に。(p148)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★☆(87点)
目次
「生き方」を選んだら、応援団が仕事になった
エール1 ずっと、息子のことが心配だった―金髪お父さん涙の結婚式
エール2 あなたが日本を支えている―誇り高き、サラリーマン
エール3 「押忍!」「ホス!」―心が折れそうになったinフランス
エール4 好きに言葉はいらない―母の日の小さな応援団
エール5 素晴らしきバカとの出会い―過酷すぎる24時間マラソン
エール6 未来のナイチンゲールへ―涙の応援授業
エール7 僕らは必要とされているのか......―気仙沼に響いた「がんばれ」
エール8 もう、自分から逃げたくない―18年前のリベンジ
著者経歴
我武者羅應援團(がむしゃらおうえんだん)・・・2007年結成、「気合と本気の応援で世界を熱くする」という志のもと独自の応援を繰り広げるプロの応援団。企業、学校などで応援を行うほか、オリンピック全日本バレーボールチーム応援やフランス・ニュージーランド・ドイツでの海外応援も行う。
武藤貴宏(むとう たかひろ)・・・我武者羅應援團 華の團長。ネバダ大学ラスベガス校(UNLV)卒業。高校の応援団に入団するものの、厳しいプレッシャーに耐えることができず、2週間で逃げ出してしまう。卒業後もその挫折を引きずりながら過ごしていたが、ある時、我武者羅應援團を立ち上げる。その本気の応援に触れると熱い涙がこぼれると評判を呼んでいる。
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全くの同感です。武藤団長の熱い思いには思わず涙腺が決壊しました。
実は、先日(8月19日)に紀伊国屋ホールにてこの本の発刊記念演舞がありました。
チケットは即日ソルドアウト。
何とか手に入れた自分は家族と共に上京しました。
1時間の熱き演舞に、魂を揺さぶられる大きな感動をいただきました。
これまでも、我武者羅応援団の活動を陰ながら
応援していましたが、今後は表に出て
応援したいと思いました。
最近特に腹正しく思うのは、
心底から何かに本気になっている者を、
いとも簡単に面白おかしくはやし立てる傾向が
マスメディアを筆頭に拡大しつつあるということです。
「何でも面白く、大衆に受ければよい」という風潮は、
現代の日本人そしてこの世の流れを象徴している
がごとく、危機感をいだいております。
我武者羅應援団の活動が、単なるお笑いではなく、
そこに筋があることが認められているのは、
実は、視聴した誰しもそんな彼らの本気に対する憧れや共感を
抱いているからではないかと思います。
いずれにしても、我武者羅応援団は全ての人をポジティブに、
そして、大きな勇気を持って支えている
素晴らしい活動だと思っています。