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「ザッポス伝説」トニー・シェイ

2012/02/26公開 更新
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顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

【私の評価】★★★★☆(89点)


■著者は、ハーバード大学卒業後、
 オラクル入社。


 5か月でオラクルを退社し、
 ネット企業を友人と立ち上げ
 マイクロソフトに2.6億ドルで売却しました。


 遊んで暮らせる金を手にしたとき、
 彼が考えたのは、

 "自分にとっての幸せとは何なのか?"

 ということでした。


・「成功とは何だ?幸せとは何だ?
  何を目指して頑張っているのか?」
  答えはまだわかりませんでした。(p96)


■その答えは、比較的簡単に出たようです。


 お金が自分を
 ワクワクさせてくれるのではない。


 新しいものを作り上げることが、
 自分をワクワクさせてくれるのだ


 そう気づいたのです。


 そこから、彼の新しいチャレンジが
 はじまりました。


・私は何かを生み出し、育て、自分が情熱を
 傾けられることをするのがどれほど楽しかったかと
 考えました・・私は金銭を追い求めるのをやめ、
 情熱を追い求めることにした
のです(p99)


■多くのネット企業に投資しましたが、
 最終的には、ザッポスという
 靴をネット販売する会社が残りました。


 彼はこの会社に
 すべてを賭けることにしたのです。


 実際、ザッポスが倒産しそうになったとき、
 運転資金として全財産を投入しています。


 その金で、
 在庫切れをなくすために、
 委託販売を止め、
 自前の倉庫と在庫を持つ。


 UPSと組むことで
 送料無料で、当日または翌日配送を実現し、
 顧客を拡大させたのです。


 最終的に、彼は勝ったのです。


 ザッポスの売上は10億ドルを超えました。


・アメリカ国内では、ザッポスは顧客ができるだけ
 簡単にリスクなく取引できるように、
 お届けと返品の両方で送料を無料にしています(p239)


■こうして話を聞いていると、
 これだけの企業になったのに
 途中で倒産しそうになっていることに
 嘆息しました。


 そういえば、トヨタもホンダも
 倒産しそうになったことがある。


 日産もゴーンさんが来たときは、
 ほとんど倒産状態だった。


 企業経営の紙一重さ、
 微妙さを感じました。


 そうした危機を克服して、
 企業は大きくなっていくのでしょう。


 シェイさん、
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私たちはみずからの事業を営み、自分の運命を
 自分でコントロールしたかったのです。
 大事なのはお金ではなく、
 退屈しないこと
だったのです(p71)


・リンクエクスチェンジを売却してから、
 私は自分にとって物質的なものよりも体験のほうが
 ずっと大切
だという哲学に従って生きてきました・・
 アキュラ・インテグラで満足していました(p134)


・何も知らない企業の株に投資し、結局大損しました・・
 授業料は高くつきましたが、よく知らない業界、
 なんら自分のコントロールも影響力及ばない企業、
 知らない人や信用できない人に投資するのは
 間違ったこと
だと学べたと思います(p124)


・自分たちのコア・コンピテンシーを決して
 アウトソースしてはならないということを学んだのです・・
 最初から倉庫業務を自分たちの中核として考えるべきでした。
 それを第三者に委託し、第三者が自分たちと同じように
 顧客に対応してくれると信じたのは、私たちが犯した
 最大の過ちのひとつでした。(p200)


・起業したいという人もいれば、
 恋人が欲しいという人もいます。
 健康になりたいという人もいます。・・・
 結局、私たちは全員、違う道をたどりながら
 「幸せ」というひとつのゴールに向かっている
のです(p385)


・「人生とは自分探しではない。自分を創ることだ」
  ジョージ・バーナード・ショー(p405)


【私の評価】★★★★☆(89点)

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