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「一倉定の経営心得」一倉定

2012/02/23公開 更新
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一倉定の経営心得


【私の評価】★★★★★(94点)


要約と感想レビュー

伝説の経営コンサルタント

本を一日一冊読み始めた10年前に手にした一冊です。まだ、ご紹介していないことに気づいて本日のご紹介となりました。一倉先生は、中小企業経営者にとって伝説経営コンサルタントです。この本は、一倉先生の著書からの抜粋となっています。


10年前に衝撃を受けたのは、職場に良好な雰囲気があるのは、革新が行われていない証拠、と断言されているところです。当時の私が、その意味を本当に理解していたかは疑問ですが、今なら納得です。常にチャレンジしていれば、組織内に文句を言う人も出てくる。それが普通なのです。


企業内に良好な人間関係が維持されているということは、革新が行われていない実証である(p198)

嫌われる覚悟

逆に言えば、嫌われる覚悟がなければ、トップは務まらない。常に課題を出し、難しいと思う目標を設定し、改善を社員に求め続けるのが、トップの役目なのでしょう。好きとか嫌いとか、そういう問題ではないのです。


一倉さんは「人間というものは、目標があると、それに向かって努力するという不思議な動物である」と書いていますが、松下幸之助も同じことを言っています。厳しく目標設定してあげるのが、部下の成長を促す親切なのだというのです。


社長は、ムリを承知で社員に頼め。(p206)

全体最適を目指す

一倉先生の「責任範囲の明確化」自体が、無責任社員をつくりだすとは、全体最適ではなく部分最適になってしまうという指摘でしょう。


また、外注比率を高めると、売上増大しても損益分岐点の上昇が少なく、外部要因の変化に対する弾力性が大きくなり、企業の安定度が増大するという分析は、費用の変動費かを目指すものでしょう。固定費と変動費をしっかりわけて把握しつつ、固定費を減らしていく必要があるのです。


目からウロコというか、一倉先生の真剣さに一瞬、固まりました。私にとっては、今読むべき本だったようです。一倉先生、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

任せるのは「実施」であって、「決定」ではない(p48)


・自分の性格に合わない事業は、手を出さないほうが無難である(p174)


・新たな収益をあげる最も早く、確実な道は、今ある商品の欠陥を見つけだし、これを直すところにある。(p186)


▼引用は下記の書籍からです。
一倉定の経営心得
一倉 定
日本経営合理化協会出版局
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【私の評価】★★★★★(94点)


目次

事業活動の本質(14項目)
最高責任者としてのあり方(25項目)
事業と販売(17項目)
経営の数字(17項目)
未来事業(15項目)
組織と人(16項目)



著者経歴

一倉 定 (いちくら さだむ)・・・社長だけを指導した実力コンサルタント。事業経営の成否は、社長次第で決まるという信念から、社長だけを対象に情熱的に指導した異色の経営コンサルタント。空理空論を嫌い、徹底して現場実践主義とお客様第一主義を標榜。社長を小学生のように叱りつけ、時には、手にしたチョークを投げつける反面、社長と悩みを共にし、親身になって対応策を練る。まさに「社長の教祖」的存在であった。経営指導歴35年、あらゆる業種・業態に精通、文字通りわが国における経営コンサルタントの第一人者として、大中小5000余社を指導。


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