「ザ・バレーボール コートからの熱いメッセージ」松平 康隆
2012/01/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
先日亡くなられたバレーボールの松平 康隆さんの一冊です。ミュンヘンオリンピックでは監督として、"奇跡"と評価されている男子チーム金メダルを獲得しています。どうせやるなら勝たなくてはならない、といった決意が感じられます。具体的には、「恥ずかしくない試合、自分の気持に照らして「オレはやったんだ」といえる試合だったかどうかなのだと書いています。
単なる熱血かというと、松平さん個人の背景が影響したのではないか、と感じました。松平さんの母は、全盲だったのです。また、松平さんは11歳の一人息子を亡くしています。こうした背景が、バレーボールに打ち込むこととなった原因の一つでもあるようです。
・母にはこんなことも教えられた。「男はお山の大将になれ。大きな顔ができないようではダメだ」(p46)
松平さんは、ひたむきに努力することが必要なのだと言っています。それを365日、目の前の小さなことを追いかけているうちに、ある日、とてつもない山に登りつめていたことに気がつくというのです。
山登りをしていると、知らぬ間に山の高いところに着いて、その景色の素晴らしさに感嘆することがあります。松平さんはバレーボールの監督として、同じような感覚を味わった人なのではないでしょうか。一歩一歩登っていると、とんでもない世界が待っている、ということです。
個人的に気になったのは、日本女子の金メダル獲得が引き金となって、「ブロックの際、オーバーネットを認める」というルール改正がなされたことです。欧米はルールを改正して自分達に有利な状況を作り出す傾向にあると感じるのです。松平さんは、このルール改正によって、小さな日本の男たちがいくらがんばっても、世界制覇への道は不可能になったとまで言っています。
松平さん、よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・辛いときもあるだろう。悲しいときもあるだろう。また、負けそうになり、くじけそうになるときもあるだろう。・・・そのたび"負けてたまるか!"といい聞かせ、歯を食いしばってきただけのことなのだ(p36)
・天才中田と人はいう。いや私もそう思う。その中田が、1万時間という気の遠くなるような時間の練習と試合をすでに体験した選手だということはあまり知られていない。(p54)
・私はつねづね、人間として一番大切なことは、生まれてから死ぬまで自分にとって新しいものをつくりだす、すなわちクリエートする、チャレンジすることだと思っている(p58)
▼引用は下記の書籍からです。
【私の評価】★★★★☆(80点)
著者経歴
松平 康隆(まつだいら やすたか)・・・、1930年- 2011年)日本のバレーボール全日本選手、バレーボール全日本男子代表監督、日本バレーボール協会名誉顧問、アジアバレーボール連盟終身名誉会長、国際バレーボール連盟名誉副会長、日本オリンピック委員会名誉委員。2008年3月から"心の東京革命"推進協議会(東京都青少年育成協会)会長を務めた。
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