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「「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか」佐々 淳行

2012/01/16公開 更新
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「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか (文春文庫)


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

危機管理で大切なことは、事前の訓練ではないでしょうか。しかし、訓練するにしても危機管理の基本が大切になります。窓口の一元化。嘘は禁物。トップは本部にいる。(現場に行くなら権限委譲)こうした基本がわかっていなければ、訓練にならないのです。


こうして見ると、福島第一原子力発電所の対応では、基本のところで間違っているということなのでしょう。窓口は、政府、保安院、東京電力と3つ。メルトダウンしていないという嘘の情報。トップの菅直人が現場に行った。(直後に水素爆発)明日はわが身だと思いました。危機管理の再勉強が必要なようです。


・御巣鷹山日航ジャンボ機墜落事故の時、中曾根総理は現地に赴きたいと言ったのですが、私はお止めしました。「なだしお衝突事件」の時も、竹下総理が横須賀に行くと言われたのですが、「総理の『陣頭』は、官邸の総理執務室です」と答えたものです。(p72)


アメリカのホワイトハウスでは、重大な決定を下す時は、大統領、副大統領、国防長官、統合参謀会議議長、CIA長官ぐらいで大事なことは少人数で決めるといった情報や、大企業であれば日頃から副社長、専務、常務クラスの人をコンプライアンス・オフィサーに指定しておき、社長ではなく専務・常務クラスの人が行って会談、会見を行うなど、勉強になりました。


危機管理の勉強が不足していたことが、わかりました。関係図書を何冊か購入して、基礎固めです。佐々さん、よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・何か事件や問題が起きたとき、重要なことは窓口をできるだけ一人に絞ることです・・・政府発表の窓口は官房長官一人にします(p186)


・30名の乗客が行方不明・・記者会見の席などでは「30名の行方不明者のご家族の皆さん」と言わなくてはいけないのです(p164)


・「一切しゃべるな」では口止めにならない・・・ネガティブリストを作って「これとこれは言ってはいけない」と教育して、それ以外が自分の経験談を言ってよろしい、と言って帰さなければいけない(p191)


・揚げ足取りをされるときがよくあります・・・「あなたの主張は理解しました。私は責任者としてこう考えて処置します」「では、さようなら」と返してしまえば、そこでピリオドが打たれます(p304)



【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

第1章 東日本大震災という「国難」―「憂いなければ備えなし」
第2章 民主党が日本を滅ぼす!―「広報」と「勤務体制」
第3章 奇跡を起こすための弁論術―「敵地攻撃」と「ソフィスト的詭弁術」
第4章 「守りの広報」と「攻めの広報」―"PR"の二つの意味
第5章 猛獣マスコミを手なずけるには―「情報の一元化」よりも「発表の一元化」が大事
第6章 涙の記者会見は「男女格差」あり―グッドルーザーになるためには
第7章 わが失言の収支決算―イスラエル大使からの「物言い」



著者経歴

佐々淳行(さっさ あつゆき)・・・1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業後、国家地方警察本部(現警察庁)に入庁。目黒警察署勤務をふりだしに、警視庁外事・警備・人事課長、警察庁調査・外事・警備課長を歴任、「東大安田講堂事件」「連合赤軍あさま山荘事件」等では警備幕僚長として危機管理に携わる。その後、三重県警察本部長、防衛庁官房長、防衛施設庁長官等を経て、86年より初代内閣安全保障室長をつとめ、昭和天皇大喪の礼警備を最後に退官。以後は文筆、講演、テレビ出演と幅広く活躍


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