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「フィンランド流「伝える力」が身につく本」北川 達夫

2011/08/07公開 更新
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フィンランド流「伝える力」が身につく本


【私の評価】★★☆☆☆(67点)


要約と感想レビュー

 元外務官僚でフィンランドの教育に詳しい北川さんの一冊です。欧米では、お互いが理解できないことを前提に、自分の意見とその理由をはっきり説明することが求められるようです。これは、日本であっても年代に差があれば話が通じないこともありますので同じことが言えるでしょう。


 はっきり言わずに、後でなんでやっていないんだ、というのは現代社会では通用しないのでしょう。いわんや、会議の場で言うべきことを言わないというのは、社会人失格となるのではないのでしょうか。


・「私はこう思う」ではなく、「なぜ、そう思うようになったのか」「どんな状況や段階をふまえて、そう結論づけたのか」という過程を相手に伝えることが重要です(p57)


 人は本当は、わかりあえない、という基本認識を持つことで、そこからコミュニケーションがはじまるのです。すべて同じ考えであれば、コミュニケーションは必要ないわけです。違う意見を持った同士が議論する、ディベートするというのが欧米の考え方なのです。


 いろいろな考え方の人がいて、いろいろな価値観があるわけで、議論を重ねることでその差が明らかになり、最後は責任者が決めるというのが、よりよい判断を生むように感じます。誰が言ったからではなく、何を言ったかで、判断されるべきことがディベートなのでしょう。


・先生は反論をした子に対して、「『絶対におかしい』とか『ありえない』じゃないでしょう。『どうして、そう思うのか』を聞きなさい」と言って注意したのです(p34)


 どこがフィンランド流かわかりませんでしたが、これから日本も異文化が増えてくるでしょうから、こうした「わかりあえない」ことを前提とした話し方が大切かもしれません。つまり感情ではなく、ロジックに意見を戦わせることが次の日本を作っていくのだと思います。北側さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・国際社会では、怒った人に特権を与えるようなことはありません。「そんなに怒るなら一度出ていって、頭を冷やしてからまたきてくれ」と言われるのが一般的な対応です。・・・「怒る=損をする」というリアルな認識や経験が少ないからではないでしょうか。(p171)


・いろいろな人がいて、いろいろな考えがあるから、わかりあえない。わかりあえない中で、人間関係をつくり、わかりあえないから衝突を繰り返す。その相互作用で、子どもは成長していくのです(p188)


フィンランド流「伝える力」が身につく本
北川 達夫
中経出版
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【私の評価】★★☆☆☆(67点)


目次

はじめに あなたの人生を変える「伝える力」が身につく本
第1章 あなたの話が伝わらないほんとうの理由
第2章 論理的な伝え方、9つのコツ
第3章 グローバル・コミュニケーションの基本的な考え方
第4章 論理的な考え方が身につく毎日の習慣
第5章 あなたのコミュニケーションを変える感情整理術
おわりに コミュニケーションに一番大切なこと



著者経歴

 北川達夫(きたがわ たつお)・・・日本教育大学院大学客員教授。財団法人文字・活字文化推進機構調査研究委員。1966年東京生まれ。早稲田大学法学部卒業後、ヘルシンキ大学歴史言語学部・発達教育学部等に留学。その後外務省に入省。在フィンランド日本国大使館在勤・在エストニア日本国大使館兼勤を経て退官。現在は、日本とフィンランドをはじめとする各国の教科書・教材制作に携わるほか、日本全国の小中学校を巡りつつ対話教育を実践している。


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