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「「談合業務課」現場から見た官民癒着」鬼島 紘一

(2011年6月 4日)|本のソムリエ
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「談合業務課」 現場から見た官民癒着

【私の評価】★★★★☆(84点)


■大林組が海外で大きな損失を出している
 との情報を見て、検索して出てきたのが
 この本でした。


 著者が担当者だったので当然ですが、
 ここまではっきりと、
 談合のやり方を見せてくれた本は
 はじめてです。

・どこのゼネコンが入札に参加するかを
 把握することは談合の第一歩であり、
 記憶力との勝負になる。(p287)


■最近は規制が厳しくなって
 「天の声」はなくなったようですが、
 天下りがなくならないということは、
 不正が続いているということ。


 それは、予定価格を聞き出したり、
 大規模プロジェクトの情報を
 引き出すことができるからです。


・入札保証金と入札価格の関係を調べておけば、
 今後の入札で、事前に入札保証金の額を
 入手できた場合に、どの会社なら入札
 価格はいくらくらいということを
 より正確に把握できる・・・
 大林組の資料に公然と残されている(p204)


■国鉄にしろ、日本航空にしろ、
 役人が大量に天下りするような組織が、
 破綻する原因の一端がわかりました。


 普通の会社は稼ぐ組織。
 役所はお金をばら撒く組織。


 役人が天下るようになると
 そこからさらに天下り先を作り出し、
 その組織は役所のように
 お金を浪費するようになっていくのです。


・大林組は、東京停車場以来、
 旧国鉄に最も強いゼネコンだった。
 そして、旧国鉄が発注した工事のほとんどが、
 やはりこうした癒着の中で落札されてきたのである。
 国民は、旧国鉄の二十数兆円という
 膨大な債務を負担することになった・・・
 その債務膨張の原因の一端をここに
 垣間見ることが出来るのである(p243)


■良いものを見せていただきました。

 鬼島さん
 良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・公益通報者保護法・・・この法律は
 通報者の人権を尊重し保護するように装っているが、
 企業が漏れてはまずい違法行為が外部、
 中でもとくに官憲に対して発覚する前に
 通報者をあらかじめ補足し、
 葬り去るために作られた法であると言って良い。
 それは、一種の罠である。(p41)


・この頃はバブル絶頂期で、
 政府の土地価格高騰抑制策で
 事業団の土地売却が制限されていた・・・
 値段の高騰を沈静化させるには物の供給を
 増やすというのが、古くからの経済学の常識であり、
 高騰を抑えるために物の供給を制限する 
 というのは常識に反していた(p90)


・当時は、バブル崩壊後で大林組では
 女子社員の採用は縁故採用のみに限られていた。
 工事発注が見込まれる大会社の役員の娘が
 縁故採用で入って来る話は、
 何度も聞いたことがあったが、
 役人についてもそうだった(p270)


・発注担当者がこうして情報を漏らすのには、
 役所側の事情がある。
 それは予算が余っては困るということである・・・
 予算が余るということは、
 それだけ税金が使われないということだから、
 国民に とっては歓迎すべきことなのだが、
 当の役所には歓迎されない。
 担当者の見積りが甘かったということで、
 その技量を問われる・・・
 次の年度からの予算を
 余った分だけ削られかねない(p281)


・談合ルール・・・その物件の工事を
 主張するに有利な材料
 (これを業界では「条件」と呼んでいる)を
 揃えたところが受注できることになる。(p274)


「談合業務課」 現場から見た官民癒着
鬼島 紘一
光文社
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【私の評価】★★★★☆(84点)



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