「水戦争―水資源争奪の最終戦争が始まった」柴田 明夫
2010/12/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
要約と感想レビュー
ちょうど穀物の国際価格がピークになろうとしていた2007年12月に発行された書籍です。穀物の価格は、石油などの資源と同様に激しく乱高下していることがわかります。
新興国の資源消費が増加しているなか、石油、ガス、鉱物、穀物などはなんとか供給している状況ですが、ちょっとでもバランスがくずれれば暴騰するわけです。
こうした不安定な国際間の貿易に資源の輸入にすべてを依存することは危険であり、自国の資源を確保するなど、ある程度の保険が必要なのでしょう。
・輸入する国も日本、韓国、台湾のアジア諸国などに偏っている・・・トウモロコシの輸入量の約4割はアジアであり、特に日本の輸入は1620万トンで世界第1位である。(p154)
商社はこうしたデータから、資源への直接投資を増やしているようです。政府よりも商社のほうが、日本のことを考えているのかもしれませんね。
柴田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・輸入されたミネラルウォーターが、近所のスーパーでは1リットル=200円程度で売られる一方、1リットルの牛乳パックが180円程度(p3)
・単収の増加を実現したのが、灌漑農業なのである。しかし灌漑整備のためには、地下水が大量に汲み上げられることになる・・・その結果、世界各地で砂漠化が進行し、水源の枯渇が進んでいる(p25)
・中国を代表する大河・黄河が干上がってしまう現象、いわゆる「黄河断流」が発生する。断流の日数は1992年の83日から1995年は122日、1997年は169日と長期化していき、また河口からの断流距離も1980年代の179キロメートルから1997年には700キロメートルまで伸びた。(p67)
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
著者経歴
柴田明夫(しばた あきお)・・・1951年生まれ.1976年東京大学農学部卒業後、丸紅に入社。鉄鋼第一本部、調査部を経て2001年に丸紅経済研究所主席研究員。2006年所長、2010年4月より代表。2011年10月より株式会社 資源・食糧問題研究所 代表に就任(現職)。農林水産省「食料・農業・農村政策審議会」食品産業部会、農業農村振興整備部会、国土交通省「国際バルク戦略港湾検討委員会」等を歴任。日本大学経済学部非常勤講師(2000.4-2013.3)、法政大学大学院国際政治学専攻非常勤講師
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