「人生の実力―2500人の死をみとってわかったこと」柏木 哲夫
2010/11/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
死への準備が必要
終末医療、緩和ケアのホスピスにおいて、多くの死に直面した人々と日々接している著者が伝える「死」への対応方法です。死はだれにでも訪れるものですので、事前の準備が大切とのこと。
つまり、いつか死ぬということを前提として今できること、これからやることを考える、今できることを実行するということです。
ほとんど火災は発生しない。にもかかわらず年に一度備えるわけだ。比べて死の発生率は100%である。年に一度くらいはしっかり、自分の死を考えてもよいのではないだろうか。(p18)
正しいより自分がやりたいこと
著者が主張するのは、人間というものは「正しい」ことを選択していくべきですが、ある年齢を過ぎてからは、自分のしたいことを選択してもいいと提案しています。
やるべきことをやるのは正しい判断ですが、自分のやりたいを実行していくことで、後悔の少ない人生を送ることが可能となるのです。人生の終わりが近いとすれば、まさにやりたいことをやっておくべきなのでしょう。
若い人は「べき人間」で生きなければならない。「遊びたいけれども勉強すべき」だし、「親に孝行すべき」である。しかし六十を過ぎたら、「たい人間になっていい」(p14)
感情に振り回されないこと
自分の「死」に比べれば、これまでに経験したことは些細なことであったと、反省している人の話が心に残りました。そんなに感情に振り回されるのではなかった、ということです。いずれは訪れる死を考えれば、今を楽しく生きたいものです。
柏木さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・文句ばかりを言ってきた人は、文句を言いながら死んでいく。誰にも感謝せずにいきてきた人は、まわりに感謝せずに死んでいく。それらの人々は、「生きてきたように死んでいく」のである。(p52)
・「悲しみを表現しておけば表現しておくほど、あとの悲しみからの立ち直りが早い」ということを最も強調したい。(p77)
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
目次
第1章 悲しみが人を成長させる
第2章 人の気持ちがわかる人
第3章 人間は弱くもあり、強くもある
著者経歴
柏木 哲夫(かしわぎ てつお)・・・1965年大阪大学医学部卒業。同大学精神神経科勤務。ワシントン大学留学。淀川キリスト教病院に精神神経科を設立。1984年ホスピス開設。副院長、ホスピス長を経て、1993年大阪大学人間科学部教授。2004年金城学院大学学長。
死ぬとき関連書籍
「病院で死ぬということ」山崎 章郎
「ホスピスという希望: 緩和ケアでがんと共に生きる」佐藤 健
「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」小澤竹俊
「死ぬときに後悔すること25」大津 秀一
「人生の実力―2500人の死をみとってわかったこと」柏木 哲夫
「大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】 2025年問題の解決をめざして」中村 仁一
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