【書評】「モチベーション3.0」ダニエル・ピンク
2010/10/16公開 更新
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
人は何のために働くのか
本書で著者のダニエル・ピンクは、人間の「やる気(モチベーション)」を3つの段階に分類しています。
まず、生存本能に基づくものが「モチベーション1.0」です。次に、報酬や罰によって動く「モチベーション2.0」です。
そして、人の役に立ちたい、成長したい、社会に貢献したいという内側から湧き上がる意欲を「モチベーション3.0」と呼んでいます。
著者は、これからの知識社会では、アメとムチによる管理ではなく、こうした内発的動機づけこそが重要になると主張しているのです。
「モチベーション3.0」の代表例
本書で紹介されている代表例がウィキペディアです。多くの人が報酬を受け取ることなく、自らの知識や時間を提供し、インターネット上に巨大な百科事典を作り上げています。
また、パソコンのOSであるLinux(リナックス)も同様です。世界中の開発者たちが無償で協力し、改良を重ねることで、商用ソフトと同等の品質を実現しています。
こうした事例から、人はお金だけで動くわけではなく、「貢献したい」「創造したい」という気持ちによっても動くことがわかります。
マイクロソフトは、ディスクやオンラインで16年間提供してきたMSNエンカルタのサービスを終了した。・・・ウィキペディアは、世界で最大規模と人気を誇る百科事典へと成長を遂げた(p39)
結局は「自己実現」では?
ただし、私自身は本書を読みながら、「それってマズローの自己実現欲求と同じ話ではないのか」という印象を持ちました。人は生活が安定すると、お金だけでは満足できなくなり、自分らしさや社会への貢献を求めるようになります。その考え方を現代のインターネット社会に当てはめて説明したように感じたのです。
インターネットによって世界中の人とつながり、自己実現の機会が大きく広がったことは間違いないでしょう。当時としては先進的な内容でしたが、現在読むと新しい発見は少なく、やや冗長に感じる部分もありました。
それでも、「やる気とは何か」を考えるうえで参考になる一冊です。ピンクさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・具体的でない報酬を検討することだ。・・・賞賛やポジティブなフィードバックは、金銭や商品よりもずっと害が少ない。(p104)
・ダクラス・マクレガーらが指摘したように、自分で自分の勤務評定を作成するのがよいのではないかと思う。(p217)
・アンダース・エリクソンの研究・・・「かつては天賦の才だと思われていた多くの資質が、 実は、少なくとも10年間の厳しい訓練の 結果であると判明した」(p179)
・ドゥエックの代表的な知見は、人の信念が熟達の内容を決定づける、というものだ。・・・自分自身と自分の能力に対して抱くわたしたちの信念・・が、自らの経験に対する解釈を定め、熟達の限界をも定めてしまう可能性がある、という(p174)
講談社
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
目次
はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デシの直面した謎
第1部 新しいオペレーティング・システム
第1章 〈モチベーション2・0〉の盛衰
第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
第3章 タイプIとタイプX
第2部 〈モチベーション3・0〉3つの要素
第4章 自律性〈オートノミー〉
第5章 マスタリー(熟達)
第6章 目的
第3部 タイプIのツールキット
著者経歴
ダニエル・ピンク(Daniel Pink)・・・1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿
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