「「旭山動物園」革命―夢を実現した復活プロジェクト」小菅 正夫
2010/07/06公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
あの有名な旭山動物園の作られた秘密を小菅園長に教えてもらう一冊です。小菅園長も当初は、入園者が過去最低となり廃園の危機からのスタートでした。そのドン底の状態から、メンバーで知恵を出し合い、お金がかからないことは行動し、お金が必要であれば予算を取り、試行錯誤を繰り返したのです。
・閉園の危機というどん底から這い上がるために、みんなで何度も何度も話し合い、知恵を出し合い、それを行動に移し、そして数多くの失敗を重ねた(p20)
私が旭山動物園に行ってみて感じた感想は、公営である動物園にしては、民間のお店のような遊び心があるということです。手書きポップがあったり、地下から透明なドームごしにライオンをのぞけたり、オラウータンがすごい高い鉄骨を移動していたりするのです。
これらには、すべて理由があるのだと、この本でわかりました。(事前にこの本を読んでいればなあ~)もちろん、今までに誰もやらないことをやるのですから、批判したり足を引っ張る人がいたのは確かなようです。
・共生展示・・・「日本一になるためには、何をやってもいいのか」というような批判があったが、私たちも目的があってやっている。一つは、飼育をする環境で生活が短調にならないようにする・・・二つめは、自然の姿を見せたいという思い(p57)
旭山動物園の成功の秘密が、一人の「日本一の動物園をつくりたい」という思いから生まれたことがわかりました。小菅さん、良い本と良い動物園をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・旭山動物園には、定期的に勉強会を催す伝統がある。・・・最低でも月一回は、必ず勉強会を開いているのだ(p21)
・私は、アイデアを考えたのに、実行に移さない人には怒ることがある。失敗なしで成功する人間なんていない。(p107)
・「日本一の動物園をつくりたい」私は以前から、そう言ってきた。(p169)
・慢性的な下痢をして死んだキリンの腸からはシワシワになったお菓子の袋が出てきた。また、マントヒヒが突然水のような下痢をして急死してしまった。原因がお客さんの与えたアイスクリーム(p173)
・住職がおもむろにこう質問してきた。「地獄とはなんだと思う」答えられないでいると、住職は言った。「地獄とは、やりたいことができないことだ」と。(p178)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 「旭山動物園」復活プロジェクト
第2章 動物の側になって考える
第3章 動物から教えられること
第4章 改革に必要な組織とは何か
第5章 動物園と日本人
著者経歴
小菅正夫(こすげ まさお)・・・1948年、北海道生まれ。北海道大学獣医学部卒。獣医師として旭川市旭山動物園に就職し、1995年、園長に就任するも、入園者が過去最低26万人となり廃園の危機となる。「行動展示」や「夜の動物園」などの企画を成功させ、動物園として有料来園者数日本一を達成。2004年には過去最高の145万人が来園し、「日本一の動物園」として有名になる。2009年に定年退職。全国で講演活動を行なっている。北海道大学客員教授、中央環境審議会野生生物委員会委員
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旭山動物園の様子を少し知ることができてよかったです。
もっと、詳しくどうして日本一になったのか、
お客さんの集客力などの
秘訣など知りたくなりました。
また、私の日常生活にも
どのように応用できるか楽しみです。