「木のいのち木のこころ」西岡 常一、小川 三夫、塩野 米松

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木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

【私の評価】★★★★☆(87点)


■法隆寺の宮大工として、法隆寺金堂、
 薬師寺金堂などの修復を行った西岡常一さんと
 お弟子さんの一冊です。


 樹齢2000年の檜を使う
 宮大工の世界に
 日本の技術のすごさを感じました。


■まず、一つは宮大工は
 「木」の使い方を究めているということ。


 現在は、集成材やプレカットで合理化が進んでいますが、
 宮大工から見ると、木の個性を殺している。


 100年使える木を30年で殺しているという
 ことになるというのです。


 木の個性を生かせは、
 樹齢100年の木は100年使える。


 樹齢50年の木は50年使えるというのです。


・木は人間と同じで一本ずつ全部違うんです。
 それぞれの木の癖を見抜いて、それにあった
 使い方をしなくてはなりません。そうすれば、
 千年の樹齢の檜であれば、
 千年以上持つ建造物ができるんです(p15)


■人の育て方も、本質を悟らせるために、
 簡単に教えるようなことはしません。


 刃の研ぎ方も、手本を見せるだけで、
 試行錯誤をするのは本人の努力次第。


 徒弟制度とは先輩をみながら、
 自分を磨いていく限りのない道なのでしょう。


・おじいさんがよう言ってました。
 「言うて聞かせて、やって見せないかん」て。
 (西岡)(p86)


■しかし、これだけの宮大工でも
 日当が2万円弱だったとは信じられません。


 そのために仕事のないときは農業をやって
 食いつないでいたというのです。


 公務員に税金から給料を払うのなら、
 宮大工に給料を払いたくなりました。


・これまで民家は一軒も作りませんでした。・・・
 言葉が悪い言い方ですが、儲け仕事に走りましたら
 心が汚れるというようなことでした(西岡)(p17)


■宮大工はいなくなっても、
 建物は千年以上残る。


 そして、その建物を見れば、
 志を持った人なら学ぶことができるそうです。


 西岡さん、よい建物と本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・丸暗記には根がありませんのや。
 根がちゃんとしてなくては木は育ちませんな。・・・
 人でも木でも育てるということは似ているでしょうな
 (西岡)(p94)


・私ら檜を使って塔を造るときは、
 少なくとも三百年後の姿を思い浮かべて
 造っていますのや。三百年後には
 設計図通りの姿になるやろうと思って、
 考えて隅木を入れていますのや。(西岡)(p66)


・おじいさんは私には一回も褒めんかったけど、
 母親には「よくやってる」というようなことを言うんです。
 それを私は母親の手伝いなんかしているときに、
 何気のう母親が伝えてくれるんですな。
 これが利きますのや。(西岡)(p99)


・おじいさんがいつも言っていました。
 昔は学者よりも職人が上やった・・・
 職人がいて建物を建て、それを学者が
 研究しているんですから、先に私らがあるんです。
 学者が先におったんやないんです。(西岡)(p71)


木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)
西岡 常一 小川 三夫 塩野 米松
新潮社
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おすすめ度の平均: 4.5
4 木のいのち木のこころ
5 これはおすすめ
5 繰り返して読んでしまう名著です
5 本の力。人の力。
4 自分の仕事に生かす

【私の評価】★★★★☆(87点)



■著者紹介・・・西岡 常一(にしおか つねかず)

 1908年生まれ。1995年没。
 法隆寺金堂、法輪寺三重塔、薬師寺金堂、同西塔などの
 復興を果した最後の宮大工。


■著者紹介・・・小川 三夫(おがわ みつお)

 1947年生まれ。
 西岡棟梁の唯一の内弟子となる。
 法輪寺三重塔、薬師寺金堂、同西塔再建に
 副棟梁として活躍。
 1977年鵤(いかるが)工舎を設立。
 全国の寺院の修理、改築、新築にあたる。


■著者紹介・・・塩野 米松(しおの よねまつ)

 1947年生まれ。
 聞き書きの名手で伝統文化・技術の記録に
 取り組んでいる。


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