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「日本人が知らない「儲かる国」ニッポン」ティム・クラーク、カール・ケイ

2009/08/01公開 更新
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日本人が知らない「儲かる国」ニッポン―外国人起業家が教える成功術
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■日本通の米国人から
 「これがおかしい!日本の制度」を
 教えてもらえる一冊です。


■まず、医療制度。

 医療制度については、医師の技量のチェック制度がないことが、
 著者には信じられないようです。

 米国では一定期間でガイドラインに沿ったチェックが入るようですが、
 日本の医師免許は一度取れば、内科、外科、泌尿器から精神病まで
 どのような医療行為も終身的にでき、格付けなどのチェックの
 仕組み自体存在しません。

 「ヤブ医者」という単語があること自体、
 日本の医療制度のおかしなところが表現されて
 いるのでしょう。


  ・日本では医師免許が終身有効とされている。
   免許更新の必要はなく、医師の資格を保持するために
   何年かおきに教育を受ける必要もない。(p182)


■また、不動産業界にも不満があるようです。

 つまり、不動産屋が、売り手からも買い手からも
 手数料を取っており、安かろうが高かろうが、
 取引さえ成立させてしまえば儲かるという仕組みになっているからです。


  ・不動産業者は、買い手であるあなたからだけでなく、
   売り主からも報酬を受け取っている。・・・日本以外の国では、
   買い手と売り手の両方の代理人になることは法律で禁止されている
   場合が多い。(p10)


■外人にありがちな短絡的な結論も若干ありましたが、
 外部の目というものは非常に大切であると思います。

 こうした本の指摘を真摯に考えて対応していくところに、
 日本の発展もあるのではないかと思いました。

 本の評価としては★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・アメリカでは医療ミスによる裁判や懲戒処分などに関する
   医師の個人情報が、nydoctor-profile.comのようなサイトで
   一般に公開されているに、日本ではウェブサイトはおろか、
   そうした情報そのものが提供されていない(p186)


  ・2004年半ば現在、ゴールドマン・サックスは、
   110箇所を超えるゴルフ場を所有・・・GEリアル・
   エステート・ジャパンは、400棟を超えるオフィスビルと
   1000戸の住宅用不動産を所有している(p96)


▼引用は、この本からです。 

日本人が知らない「儲かる国」ニッポン―外国人起業家が教える成功術
ティム・クラーク カール・ケイ 武井 楊一
日本経済新聞社
売り上げランキング: 785
おすすめ度の平均: 4.5
5 サービス分野におけるプロフェッショナルの不在を鋭く突き、逆にビジネスチャンスと捉えるアウトサイダー視点を解説した良書。
4 視点が面白いですよ。
5 社会政策本としてもおすすめ
4 「日本人が知らない」サービス論!
5 読まないとホントに知らないよ!
【私の評価】★★★☆☆(72点)


■著者経歴・・・ティム・クラーク

 1956年ミネソタ生まれ。
 84年日本に移住。
 大手アメリカ企業のマーケティング・アナリストを経て帰国。
 ハワイ大学でMBAを取得後、コンサルティング会社を設立し、
 2000年に売却。
 現在、ポートランド州立大学の起業学講師。


■著者経歴・・・カール・ケイ

 1956年ペンシルバニア生まれ。
 82年米国企業の日本進出を支援する会社をボストンで起業。
 98年に会社を売却し、現在はコンサルタント。


─────────────────

■関連書評■

a. 「日本の真実」大前 研一
【私の評価】★★★★☆

b. 「日本国の研究」猪瀬 直樹

c. 「「法令遵守」が日本を滅ぼす」郷原 伸郎
【私の評価】★★☆☆☆

d. 「世界の日本人 ジョーク集」早坂 隆
【私の評価】★★★☆☆


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