「借金の底なし沼で知ったお金の味」金森 重樹
2009/02/11|

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【私の評価】★★★★★(95点)
■驚くべき金森さんの体験談です。
現在は、有名マーケッターとして活躍している
金森さんですが、一時借金が1億円以上ありました。
しかも、それは、先物取引業者に
ほとんど騙されて作ったようなものなのです。
まったく無知なフリーターが作った借金1億円。
普通の人なら、自殺してもおかしくない状況です。
・先物取引の恐ろしいところは、金を巻き上げられて
1円もなくなって困り果てた客に親族、知人などから
返済の目処の立たない借金をさせて回らせて
更なる深みへ突き落とす(p118)
■しかし、そんなどん底の中で、
金森さんは、ちょっと違いました。
まず、借金を背負いながらも成功した人の話を
聞いて回ったのです。
・僕は「月刊 頭で儲ける時代」などの入手できる限りの
雑誌の告知欄を丹念に調べて、巨額の借金を負っている、
あるいは過去に負っていた方たちに一件一件連絡を取っては、
会って話を聞いていく作業から始めました(p138)
■また、借金返済のために就職した不動産デベロッパーで、
資格を取ったり、一生懸命仕事をしていくうちに、
社会の儲けの構造が見えてきました。
どうすれば優良な顧客を集めることが
できるのか。
どうすれば確実に値上がりする不動産を
事前に手に入れることができるのか。
そうしたことが見えてきたのです。
・いい名簿をどうやって入手するのか・・・
少しだけわかったのは、名簿屋から買ったりしている(p199)
■そして、ある瞬間、金森さんの頭の中で、
「お金の考え方」が切り替わったのです。
返すことのできない1億円の借金という事実。
その一方で、数億円というお金を動かして、
利益を上げていく事業の仕組み。
つまり、借金を当たり前と考える
事業家の頭に切り替わったのです。
これ以上借金をしても、
どうせ返せないことは同じという
吹っ切れた気持ちもあったのでしょう。
■その後、金森さんは、FAXを利用した集客で
資金を作り、不動産投資などで、
1億円を完済します。
■とにかく迫力の一冊でした。
ギャンブルにはまる人の気持ちと、
ビジネスで成功している人の気持ちが、
不思議な混乱の中で伝わってくるような一冊でした。
「金持ち父さん、貧乏父さん」に匹敵する
名著だと思います。
本の評価としては、★5つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・学校とは国家の政策と、
企業の成長のために奉仕する
労働者の養成機関です。(p33)
・「ボーナスが入ったら○○を買おう」・・・という発想は、
貯蓄即消費の自傷行為ですが、その立場にいる人は無間地獄の中で、
物欲にまみれて富裕層には永久になれないまま一生を終えます(p89)
・税理士が会社をダメにしたケースの中で多い事案二つ・・・
「広告宣伝費を使いすぎですから削りましょう」・・・
「人件費を削りましょう」・・・経営が苦しくなった時の
打開策は、売上を上げることです。(p174)
・僕が財閥系のデベロッパーだったら、新興系が全部潰れるまで
政府と組んで貸し渋りで新興デベを追い詰めて、最後に潤沢な資金で、
窮地に陥った彼らから捨て値で種地を拾うと思います(p187)
・限界許容量をはるかに超える事態は
ひとまず脇に置いておいて、
「寝てしまえばなんとかなる」と
考えることが肝心だと思っています(p242)
▼引用は、この本からです。
大和書房
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【私の評価】★★★★★(95点)
■著者紹介・・・金森 重樹(かなもり しげき)
1970年生まれ。
25歳年収250万円のフリーターのときに
負った5400万円の借金が、5年間で
1億2700万円となる。
就職して、マーケティング技術を学び、
10年間で借金を完済。
相互扶助コミュニティ「倒産救済会」を作る。
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今回1位にあがっていた、
「借金の底なし沼で知ったお金の味」金森 重樹
すぐに購入して、一気に読みました。
生々しくて、それでいて感情や描写が細かく書かれていて
とても共感できました。
「お金に色はついていない」という言葉が
印象的でした。
今後も続けて良書を発掘してください。
本のソムリエさまへ
はじめまして。
おくまん こと 奥野です。
先日は、ほったらかし(笑)のブログに訪問していただき、本当にありがとうございました。
コメント頂いたのがきっかけで、
もう一度、この本を読み直してみようかなと思ってます。(^^)