「即戦力の人心術」マイケル・アブラショフ
2008/11/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■著者が艦長となったイージス艦ベルフォルドは、
非常に成績の悪い戦艦でした。
アメリカのイージス艦がこれほど乱れているとは知りませんでした。
彼は、どうやって落ちこぼれ戦艦を
No1にまで引き上げたのでしょうか?
■彼がやっていることは、
成功した企業の経営者がやっていることと
同じでした。
部下の意見を聞き、採用し、自ら動く部下を作る。
サンキューカードで士気を高める。
海軍でNo1となるというビジョンを示したのです。
・つねに部下に
「きみがしている仕事で、もっとよいやり方はないか?」と
聞いて回ったのである。(p22)
■食事を良くしたり、
映画や音楽ビデオを上映したり、(ちょっとやりすぎ)
職場環境・雰囲気の改善にも努力しています。
成功例と失敗談。
すべてに具体的なストーリーがあるのに
感心しました。
・事件・作戦のあとで必ず、それにかかわった者たちが
艦橋にある私の椅子のまわりに集まり、批評会を行なう。
うまくいったときでも、やはり分析を行なう。(p70)
■最終的に著者が大佐止まりで退役した理由には、
やりすぎたことと、嫉妬があったようです。
そうした点には私たちも注意しなくてはいけないのでしょうが、
成果を出した手法の価値は下がりません。
本の評価としては、★4つとしました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・言葉の力・・・私は部下たちに、艦を訪れるすべての
人に対して、その人物と目を合わせ、握手をし、微笑み、
「海軍で最も優れた艦へようこそ」と言って迎えるように
してほしいと伝えた。(p58)
・部下たちの配偶者の誕生日のリストを手に入れ、
直筆のメッセージを書き添えて、そのカードを送った。・・・
「あなたの旦那さんはすばらしい仕事をしています」と書いた(p167)
・私が部下たちと一対一で行った面接の利点の一つに
「それぞれの部下の人生を知る」ということがある。
なぜこの組織に入ったのか、そして、夢はあるのか、といった
ことを知ることほど有益なことはない。(p185)
▼引用は、この本からです。
三笠書房
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並
組織を動かす力
ここにはリーダーが目指すべき理想の職場がある
海軍の話をされてもあまり
■著者経歴・・・マイケル・アブラショフ
アメリカ海軍史上一と言われた短期間で成果をあげた海軍大佐。
戦艦ベンフォルドの艦長に就任すると、海軍No1にまで改革する。
その後、コンサルティング会社を起業し、評価されている。
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■関連書評■
a. 「松下幸之助の実践心理術」赤塚 行雄
【私の評価】★★★★★
b. 「人を見る眼 仕事を見る眼 松下幸之助エピソード集」
【私の評価】★★★★★
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最近読んで感動した本は、
「即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ」
です。
米海軍の艦長の経験談です。
軍事的な内容ですが、
いかに部下個々人の積極性を導きだすか、
その上で組織としての所望の成果を出させるか、
という観点から組織のリーダーにとっては
良い参考になると思います。
加えて、人間との良好な付き合いを考える上でも良い参考書になると思います。