「理解という名の愛がほしい-おとなの小論文教室。II」山田ズーニー
2007/12/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(89点)
■山田ズーニーさんの
「おとなの小論文教室シリーズ」の一冊です。
今回も、コラム形式でズーニーさんの体験から
人生論、人間論、コミュニケーション論が
引き出されます。
■ズーニーさんの見方では、
しゃべっている人は
「わかっていない人」だそうです。
初心者営業マンのことを
言っているようですね。
余裕のある人であれば、
質問で相手の意見を引き出し、
その場をコントロールしていくものです。
・多くは、「わかっている人」は、黙っている。
声高らかに、しゃべっているのは、
多く、「わかっていない人」だ。・・・
なぜか饒舌になるとき、そこに、
どんな心理が働いてるのだろうか?(p114)
■私が一番「グサッ」ときたのは、
ミュージシャンのライブのところです。
ズーニーさんがライブに行ったら、
そこでは、( うまい )ミュージシャンが
演奏していました。
たしかに「うまい」のだが・・・・。
なにかが足りない?・・・
■ズーニーさんは、
このミュージシャンは、お客の期待に応えることを
優先してしまって、
自分らしさを出してこなかったのではないか、
と分析します。
ズーニーさんは「毒」と言っていますが、
「毒」=「自分らしさ」こそ、最も貴重なものでは
ないかと再認識しました。
・親切に、100%お客さんの期待に「応えて」いった結果、
ステージの完成度は高いが、
何か小さくまとまってしまったのではないか。
ときに、お客が、どん引きしても、ぬけっ、と、ずけっと、
「俺は、今日、これでいく」というような「毒」が、
彼らにはなかったのではないだろうか。(p103)
■山田ズーニーさんは女性だったんですね。
最近、わかりました。(失礼しました。)
あいかわらず、鋭い視線で
人とのかかわりを切ってくださいました。
★4つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・若い人が捜し求めている方の、
「生きる実感」ってなんだろう?
あれは、歌でいうところの「サビ」の部分ではないか?・・・
でも、サビは、サビの部分だけつかもうとして、
つかめたら、実感はうすい・・・
あなたにとって生きる実感とはなんだろう?(p24)
・次のような母の書き置きが私の机の上にありました。・・・
あなたは真珠をもっている。
心の中にその輝きがあるのを私はいつも感じている
もしも、今、会ったばかりの他人が気付かなかったとしても、
そのためにその輝きを曇らせないでね(p190)
・本当のことだけが人を動かす、
と私は思っているのだが、
去年、気持ちを正直に書いたら、
友人を嫌なカタチでただ、
ムカつかせただけ、だったようだ。・・・
人は本当のことを言おうとするとき、
「考える」ことが必要だ。(p53)
▼引用は、この本からです。
河出書房新社 (2006/03/10)
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ずっしりとココロに響きます。
良書です
【私の評価】★★★★☆(89点)
■著者経歴・・・山田ズーニー
1984年ベネッセコーポレーション入社。
進研ゼミ小論文編集長。
2000年独立。執筆、講演、編集・ライター育成などを行なう。
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