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「宋 文洲の傍目八目」宋 文洲

(2007年8月 9日)|

宋文洲の傍目八目

【私の評価】★★★☆☆(79点)


●ソフトブレーン創業者である宋 文洲さんのエッセーです。


 中国から留学生として来日し、
 短期間に東証1部上場企業を育てた
 辣腕経営者だけあって、
 合理的なコメントが新鮮でした。


 中国人は議論がうまいという印象がありますが、
 それを再認識させられました。


●「日本の常識は、世界の非常識」という考え方については、
 国が違えば、常識が違うのは
 当たり前という反論をします。


 そして、反対に、共通の常識が多いことを提示して、
 日本は非常識ではないという結論にしています。


 ・日本の常識は、世界の常識・・・清潔さ、謙虚さ、同情心、
  向上心、努力の尊さ、チームワークの重要性・・・どれも
  世界の常識であり、どれも世界が守りたいものです(p49)


●また、日本の企業で当たり前の( 残業 )については、
 宋さんは否定的です。


 残業については、
 残業⇒儲かる、儲からない という議論から、
 枠を大きくして、「残業を前提にしたビジネス自体が問題である」と
 論理に飛躍させることで、説得力を持たせています。


 ・「残業をしても儲からないのに、残業をやめたらどうするのですか」
  との質問をいただきました。
  僕は「残業しなければ儲からないようなビジネスのやり方そのものに
  問題があります」と答えました。(p156)


●宋さんは、すでに引退しています。


 引退の理由は、自分の意見が社内で絶対視されるように
 なってきたから。そこに、危険性を感じ、
 実際に引退されたのは、すごいと言わざるをえません。


 ・会長を辞める理由・・・(ダイエーを創業した)中内さんは
  引退する記者会見で涙を流しながら「私が発言すると社内の
  議論が止まった」・・・と述べられたと記憶しています。(p173)


●中国と日本を知る著者の視点は、新鮮でした。


 経営者の視点、中国人の視点が勉強できましたので、
 ★3つとしました。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・トヨタ自動車の張富士夫会長にトヨタの強さの源泉を尋ねたことが
  あります。張会長の口からはカンバン方式とか
  カイゼンという言葉は一言も発せられず、
  その代わりこうおっしゃいました。
  「トヨタは一度潰れた会社ですから」(p87)


 ・中国文明」や「孔子、老子などの歴史偉人」について
  関心を示されるとき、僕はいつも複雑な気持ちになります。
  今の中国は世界に後れを取っていますし、
  現代中国は世界の人々が納得するような偉人も
  生み出していないからです(p130)


 ・教育好きな人ほど、自分は教育を受けたらないくせに、
  他人を教育したがります。(p39)


▼引用は、この本からです。

宋文洲の傍目八目
宋 文洲
日経BP社 (2007/04/12)
売り上げランキング: 56838
おすすめ度の平均: 4.5
3 「仕事の常識」だけは、納得いきません
5 経験の尊さ
5 いじめに悩んでいる人に読んでもらいたい

【私の評価】★★★☆☆(79点)



■著者紹介・・・宋 文洲(そう ぶんしゅう)

 1963年中国山東省生まれ。
 1983年中国・東北大学を卒業後、日本に国費留学する。
 1990年北海道大学大学院修了。
 天安門事件で帰国を断念し、日本で就職するも、勤務先が倒産。
 1992年ソフト販売会社ソフトブレーンを創業し、代表取締役。
 1999年代表取締役会長。
 2000年東証マザーズ上場。
 2005年東証1部上場。
 2006年会長を辞任し、マネージメント・アドバイザーに就任。


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