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「アングロサクソンは人間を不幸にする」ビル・トッテン

2006/10/19公開 更新
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アングロサクソンは人間を不幸にする

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


●「欧米の資本主義は人間を幸福にしない
 というのが著者の主張です。


 その理由は、欧米では資本主義の名のもとに、
 金持ちが貧乏人を搾取してきたからです。


・アメリカ経済はたしかに活況を呈しているが、その利益を受け取っているのはほんの一握りの金持ちだけである。(p2)


●この背景には、狩猟民族であるアングロサクソンの
 弱肉強食の遺伝子があり、
 強いもの、つまり金持ちがさらに金持ちになるだけであると、
 バッサリ切り捨てています。


・イギリスは戦闘的な狩猟民族だったゲルマン人たちによってつくられた国だ。・・・彼らの考え方は、円満に共存共栄を図るというものではない。勝つか負けるか、弱肉強食の考え方なのである。(p90)


●そうした資本主義に対抗する形で、「社会主義」「共産国家」
 という考え方が生まれてきたのですが、
 結果を見れば、社会主義の仕組みがうまくいかないのは
 明らかでしょう。


 著者は、日本社会こそが成功した社会主義であり、
 日本のような共存共栄の考え方こそが、
 一般市民の幸福を達成するものだとしています。


・高度成長期の日本では、一企業、一個人が高利を貪り、莫大な利益を上げることをよしとせず、皆で利益を分かち合ってきた。・・・そのようにして日本は、世界にも稀な貧富の差の少ない社会を築いてきたのである。・・・日本人の価値観の中心は、カネではなかった。大多数の人々の幸福だった。(p192)


●著者は、現在の日本経済の停滞は、日本的経営の失敗ではなく、
 私利を求める官僚や、理念を捨てた企業経営によるものであり、
 いまこそ、経営理念に基づく経営、日本的経営に
 回帰するべきだとしています。


・日本社会と経済が衰退しはじめたのは、日本企業がこうした経営理念を捨て、貪欲に利益を追求しはじめたからだと思う。(p181)


●アングロサクソンである著者が、
 日本的経営の素晴らしさを
 説いてくれるのも不思議ですが、
 日本的経営を見直すのに良い本だと思いますので、
 ★2つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


資本主義は、基本的に金持ちの哲学である。(p56)


・私の目から見ると、宗教心のない日本人のほうがまだ欧米人よりモラルが高い。・・・カトリックでは、十字軍の昔から、どんな略奪をしても、どんなに人を殺しても、司祭に告解し教会に寄付すれば天国に行くことができるというようなことを教えている。(p163)


▼引用は、この本からです。

【私の評価】★★☆☆☆(69点)


■著者経歴・・・ビル・トッテン

 1941年生まれ。1963年 ロックウェル社(アポロ計画)勤務。
 1967年 システム・デベロップメント社(SDC)勤務
 1969年 SDCの社員として日本の市場調査のため来日。
 1972年 パッケージソフト販売会社アシストを日本に設立、現在に至る。

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