人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「やらまいか!―トラック一台から超優良上場企業をつくった破天荒な男の経営実践録」大須賀 正孝

2006/10/20公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

やらまいか!


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 トラック輸送業を営む著者が、ひょんなことからイトーヨーカドーの物流センターの運営を請負うことになりました。著者は、物流センターについてはまったくの素人ですが、トラック運送業時代に取引先の倒産で多額の借金を背負い、死ぬ思いでコストを削減した経験が、物流センター運営で生きることになります。


 まず、収支日計表でトラック毎の収支を把握していたのを、物流センターのコスト管理に適用します。現場の一人ひとりが、今日の自分の仕事は儲かっているのか、赤字なのか、大雑把に把握することができるのです。現場の人はバカではありませんから、もし自分の仕事が赤字であれば、自然と黒字にしようと頭を使うわけです。


収支日計表の目的は完璧を追求することではない。・・・自分の担当している仕事が儲かっているのか、それとも赤字なのかを社員一人ひとりに理解させることが真の狙いだ(p57)


 また、現場のやる気を強化するために、日替わりで班長を変える制度があります。通常、ベテランが班長となるのですが、パートタイマーでも班長となることができるのです。人間とは不思議なもので、役職がつくと、その責任を全うしようとします。(本当に不思議)


 働かされるのと、自ら働くのとでは、天と地のほどの差があります。できるだけ現場に責任を持たせるような仕組みを作ったのです。


・オレは作業員たちが仕事に責任感を持ち、「動かされる」のではなく、自分から「動く」ような職場環境をつくりたかった。そこで思いついたのが「日替わり班長制度」だった。(p74)


 結局は、現場でコスト削減の知恵が出ること。そして、実際に効率的な運営できるということが大切なわけで、それを実行できているからこそ著者の会社は好業績を残しているのでしょう。多額の借金により、死ぬ思いででコスト削減に取り組んだことが、今の成功につながっているわけで、「死ぬ思いもまたよし」というのも、ひとつの人生の妙味だと感じました。


 現場の力を引き出す知恵と経験に学ぶべき点が数多くありましたので、★4つとします。


この本で私が共感した名言

開発チームのメンバーも五~六人くらいがちょうどいい。メンバーが多すぎるとコストばかりかかる。(p90)


・新聞の購読料は自分で払うようにしたほうがいい・・・自腹を切っていれば、もったいないからといって必ず目を通すようになる。(p92)


・当時の運輸省は営業免許を持たない白トラ営業を違法行為だと言いながら、白トラ営業の経験がない会社には免許を下ろさなかった・・・仮に免許を申請しても、当時は運輸省から許可が下りるまで二、三年かかっていた。(p31)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★☆(88点)



目次

倒産の危機から年商八〇〇億円に
子供の頃からアイデアは天下一品
ボクサーの夢を捨てトラック運送業へ
連鎖倒産の危機で極貧生活
退職金を差し出してくれた銀行マン
収支日計表で儲かる仕事を見極める
物流センター事業の決め手は現場の活性化
お客様への口説き文句を間違えるな
温泉付き合同勉強会のススメ
現場の知恵が働けば業績は自然についてくる
社長の仕事は雑用係 でも、会社で一番働くこと
物流企業の再建請け負います


著者経歴

 大須賀 正孝(おおすか まさたか)・・・ハマキョウレックス代表取締役。1941年生まれ。ヤマハ発動機に勤務後、青果仲介業などを経て、1971年に浜松協同運送を設立。1997年店頭公開、2003年東証一部上場。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキングに投票する
人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
42,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
>>バックナンバー
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。


お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト発行者の日記

<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: