「「年収6割でも週休4日」という生き方」ビル・トッテン
2012/12/29公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(87点)
■日本的経営について、
外国人であるトッテンさんに
教えてもらう一冊です。
トッテンさんの経営の視点は、
金儲けではなく社会への貢献。
株主だけのために稼ぐのではなく、
社会への貢献度に応じた成果を
関係者で共有するという考え方です。
・人を「コスト」として扱い、経費カットよろしく
どんどん社員のクビを切るような経営者は、
いったい何のために会社を経営しているのでしょうか(p49)
■経営者の視点でいえば、
もし、経済が破綻すれば、
大きな売上高減少は避けられない。
人を解雇しないとすれば、
給料を減額することとなる。
必然的に、週休2日が
週休3日、週休4日となる
可能性もあるということです。
ワークシェアリングという
考え方ですね。
・アシストはけっしてリストラはしません。
しかし人件費を縮小せねばならず、社員に支給する
給与や賞与は削減することを余儀なくされるでしょう(p75)
■ここから視点を大きくして、
トッテンさんの懸念は
経済がカジノ化しているということです。
新規株式の発行は、
株式売買高のたった2%。
日本円の為替相場の
貿易決済のための取引も
2%でしかないのです。
98%は実需を背景としない
ギャンブル、投機ということです。
・製品やサービスの決済に必要な円は外国為替取引高の
2%未満、残りの98%は為替相場が上がったり下がったり
することで儲けようとする、純粋な博打なのです(p134)
■もう、こうした欧米の資本主義、
実経済を離れたギャンブルは止めましょう、
というのがトッテンさんの考えです。
スローライフといった
簡単な言葉では語りきれない
非常に大切なテーマだと思いました。
トッテンさん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私たちが肉食を減らし、国産の米と野菜中心の食生活に
戻ることは、自分の健康のためばかりでなく、
世界的な飢餓を減らすことにも貢献するのです(p105)
・私が消費中毒を治すためにまず始めたのは、
輸入品を買わないということです。
輸入品は輸送エネルギーを消費します。(p109)
・日本経済が失速し、生活が脅かされているというわりには、
多くの人があいかわらずお金を出してペットボトルの水を
買っているのは、むしろ不思議な気がします(p117)
・水がなければ人は生きることはできません。
不衛生な水を飲んだことが原因で、毎年500万人もの
人が亡くなっているのです。生命を左右するこの貴重な
水が商品として一部の企業に所有され、
その水で巨額な利益を上げている(p118)
・私は、トービン税のように、日本円の売買に
1%課税をすることを提案します。・・・
円への投機は完全になくなる可能性もあります・・・
年間132兆円の税収を得られることになります(p156)
・社会に流通するお金の80~90%が、貸し付けを
通じて作られたお金であり、そのお金を借りた人
(または企業)は利子をつけて返済しなければなりません。
そのため経済は利子分だけ
つねに成長しなければならないのです(p175)
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【私の評価】★★★★☆(87点)
■目次
第1章 六割経済社会がやってくる
第1節 日本の古きよき企業経営に学ぶ
第2節 IT企業の未来に備えた試み
第3節 幸せになるトッテン流生活術
第2章 脱カジノ経済四つの提言
第1節 危機をもたらしたのは誰だ
第2節 グローバル経済の落とし穴
第3節 脱カジノ経済四つの提言
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