「志を教える」上甲 晃

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志を教える―松下幸之助の人づくり

【私の評価】★★★★☆(89点)


●よく「「志」を持って仕事をしなさい」と言いますが、
 この本では、15年間松下政経塾の塾頭をつとめた著者が、
 松下流の「志」を教えてくれます。


 「志」については、この話が参考になるでしょう。


●大正の終わり、事業で成功した松下幸之助は、
 当時数少ないパッカードという
 外国製自動車を購入し、
 乗り回すまでになりました。


 ところが、すべてが満たされてみると、
 どうも仕事に力が入らない。
 松下幸之助は小成功病という
 スランプに陥ったのです。


 ・今まで一所懸命働いてきたけども、
  なんとなく自分の思うことが
  全部実現していくと
  力が入らんのですわ(松下幸之助)(p35)


●そうしたとき、松下幸之助は知り合いから、
 天理教の本部へ行くことを勧められました。


 そして実際に天理教の本部に行ってみると、
 そこでは無給でありながら、
 多くの人が生き生きと仕事をしているのです。


 松下幸之助は驚きました。


 「私はお金を払って従業員に仕事をしてもらっているのに、
  仕事は苦労することばかりである。
  それに対して、こちらは無給なのに、
  生き生きと仕事をしている。
  この違いはどこにあるのだろうか?」


●そして、松下幸之助に、
 ある考えがひらめいたのです。


 そうか!あの人たちの仕事には、
 崇高なる使命がある。


 人間は、崇高な使命を持てば、
 それに向かって熱心に働くのである。


 はたして、自分の事業に、
 崇高な使命はあるのか・・・。


 そして、松下幸之助は、幹部社員を集めて、
 自分が考えた使命を発表し、
 その日を松下電器の新たな創業記念日とします。


 ・「松下電器はこれから二百五十年かけて
  世界から貧乏を追放する」(p41)


●それから1000人程度の中小企業であった
 松下電器の業績は驚くほど上昇し、
 今の松下グループにまで成長していくのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


●後年、松下幸之助は、松下政経塾を作ったように、
 政治に興味を持っていました。


 国家の運営も一つの経営であり、
 政治家こそが国家の経営者であると
 考えたのです。


 ・新しい人間観に立つ、国家百年の計を持った
  政治家が欲しいんや(松下幸之助)(p23)


●適切な経営力を持つ政治家を持てば、
 日本は素晴らしい国になっていくという
 確信があったようです。


 「志」とは何か?という問いに、
 最高に答えてくれる一冊です。
 ★4つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・松下幸之助の発言の中で大変印象的だったのは
  「日本はこれから大繁栄の時代に入るんや」
  ということを繰り返し言い続けていたことです。
  二十一世紀に日本は世界の繁栄のど真ん中に立つ。
  それが大きな歴史の巡り合わせである。(p25)


 ・「ここのトイレは汚いな。誰か掃除をする人はいないのか」
  と口で言っているだけの人よりも、
  「ここのトイレは汚いから、私が掃除をしておこう」
  とすぐに腕まくりして、掃除を
  はじめる人は魅力的です。(p219)


 ・われわれが子供や孫や曾孫に残せるものは
  一体なんだろうかと問い掛けられたらどう答えるか・・・
  生きざまを残すことだと
  『後世への最大遺物』の中で内村鑑三は
  いっているのです。(p49)


志を教える―松下幸之助の人づくり
上甲 晃
致知出版社
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おすすめ度の平均: 5.0
5 日々、家事、掃除、生活、繰り返し
5 志の第一歩は人生のテーマを持つことだ
5 志という言葉の深み

【私の評価】★★★★☆(89点)



■著者紹介・・・上甲 晃(じょうこう あきら)
 
 1941年生まれ。1965年松下電器産業に入社。
 1981年松下政経塾に転勤し、1995年まで同塾塾頭。
 1996年松下電器産業を退社後、(有)志ネットワーク社設立。
 1997年青年塾を創設。「志のみ持参」など著書多数。


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