「俺が黒字にしてみせる」杉野 正
2006/01/31公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
●著者経歴・・・杉野 正
1958生まれ。大学卒業後、ユニ・チャーム入社。
1989年より単身、サウジアラビアで市場を開拓し、成功させる。
1996年HISへ転職し、支店長、人事課長、営業本部長などを歴任。
2002年田中康夫知事に見込まれ、しなの鉄道の社長に就任。
●長野県に長野新幹線の開業に合わせ、JR東日本から分離した
「しなの鉄道」という路線があります。よくある第三セクターです。
●元県職員の社長のもと、五年が経っても赤字続き。
債務超過となって社長は引責辞任。
田中康夫知事がHISに頼み込んで著者が社長として派遣されました。
・オレはプロのサラリーマン。
「ノー」と言わないことがポリシーだ。(p3)
●著者が「しなの鉄道」でやったことを挙げてみましょう。
挨拶の徹底
経費の三割カット
乗車料金の値上げ
通勤時間の増発
JR子会社経由の契約の解除
(他にもいっぱい)
●こうしてみると、当たり前のような対策が並んでいますが、
実際にやろうと決断するのは、大変だったに違いありません。
・すべて三割引で契約するように指示を出した。・・・「大きな目標で
変える」これこそが何事においても大切だ。(p20)
●こうした施策の実施だけでなく、著者が強調しているのは
社員の意識改革です。
●そのために、JRの子会社にマージンを搾取されている契約書を
社員の前でビリビリと破り捨てる。
・敷地内に入ってくるタクシーやバスの構内営業権で一台につき
3000円をしなの鉄道でいただいていたが、そのうち四割も
JRの子会社に搾取されていた。(p70)
●赤字を減らすために会社を潰してはどうかと提案する(脅してる?)。
こうした、あらゆることをしているわけです。
●その結果、「しなの鉄道」は三ヶ月で黒字転換しました。
・俺は失敗したことがない。・・・失敗しないために何倍も準備を
するんだ。・・・準備の他に大切なことが一つある。それは、
失敗するような仕事には手を出さないということだ。(p120)
●前の社長にはかわいそうですが、
会社は社長しだいということでしょう。
●リーダーの大切さを再認識させてくれる一冊であり、
読んでいて杉野さんの語り口が楽しいので★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・答えは絶対に現場にあるんだ。(p56)
・逆に言えば「結果の出やすい部分から手をつけろ」ということだ。
(p182)
・俺がここで伝えたい真実は、「何ごとにおいても必ず手本がある」
ということだ。(p63)
かんき出版 (2003/11)
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