「日本人の神髄―8人の先賢に学ぶ「大和魂」」小田 全宏
2005/08/10公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
要約と感想レビュー
志を持つ
「どうして日本人はこんなになってしまったのか」という著者の思いが、あちこちに出てきます。
それは抜きにしても、この本で紹介している吉田松陰、佐藤一斎、西郷隆盛、坂本竜馬、新渡戸稲造、聖徳太子、森信三、中村天風は私の好みに合っています。この人たちに共通しているのは、志を持っていたということでしょう。
バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学のキャンパスの一角に、「新渡戸記念庭園」がある。その中に一基の石碑があり、そこには、「願わくばわれ太平洋のかけ橋とならん」と、刻まれている。(p204)
自ら学び自ら知る
この一冊で、これら8人の先哲の生き方を読めるのですから、入門書として読むという使い方がいいのではないでしょうか。たとえば、この中によく知らない人の名前があれば、その人について調べてみる、本を読んでみるのもいいでしょう。それが、松下幸之助の言うところの「自修自得」です。
例えば、吉田松陰の本を読んでみると、松下村塾では先生と生徒が同等の扱いだったとわかります。学ぶ人たちの集まりだったのです。吉田松陰は、塾生たちに「美点凝視」と言っています。相手の長所を見抜き、生かすことです。
松陰は弟子たちに対して、「私は君らの師となることはできない。しかし、共に学ぶことはできる」と言っている。彼が言うには、世の中に広まっているすぐれた考え方は、すでに昔の偉人が言いつくしたものだ。(p56)
教育が人を作る
それぞれ一人ひとりが研究するに値する人たちですから、この本を読むことで、一人でも気になる人物を知ることができれば、収穫といえるでしょう。
この本を読んで、これらの先哲に共通点を見出しました。それは、これらの人たちが、教育者の面を持っていたということです。この人たちに学び、影響された人が、日本を変えていったということです。
私が現場を見て思ったのは、その手法がどうであれ、成果をあげているところに共通しているのは、教師に「人間力」があるということである(p326)
教育が人を作る
松下幸之助の松下政経塾と、吉田松陰の松下村塾の共通点に気づきました。それは名前と、「自修自得」であることです。自分が主体者として社会に「何ができるか」、この観点に立って自主的に研鑽を積むのです。
自分が進む道を考えるために、入門書として8人の先賢を知ることのできる一冊として、星3つとしました。
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この本で私が共感した名言
・松下幸之助氏は、「成功したときは運がよかった。失敗したときは自分に非があると思う。ふつうであれば、成功すると自分の力、失敗すると運が悪かったと思ったりする。ここにものの考え方の違いがある」と、言っている。(p97)
・「天が自分に命じている」ということに、自分の中心点を置くと、物事は非常に透明に見えてくる。この発想をすることで、私心が無くなってくる。(p92)
・「はい、と明るく返事をしましょう」「あいさつは先にしましょう」「腰骨を立てましょう」「靴をそろえましょう」・・・その単純なことが子どもたちを変貌させていったのである。(p255)
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【私の評価】★★★☆☆(76点)
プロローグ 日本人はこの五十余年、何を忘れてしまったのか
第1章 志―吉田松陰がみせた無私の行動力
第2章 理―佐藤一斎が説いた天地自然の法則
第3章 情―西郷隆盛が貫いた無欲平等の生き方
第4章 無―坂本龍馬がもっていたとらわれなき心
第5章 道―新渡戸稲造が知らせしめた日本の精神
第6章 和―聖徳太子が残した指導者の心得
第7章 誠―森信三が授けた実践の哲学
第8章 心―中村天風がたどりついた生命の原則
エピローグ いまこそ取り戻せ、日本の精神
著者経歴
小田 全宏(おだ ぜんこう)・・・1958年生まれ。松下政経塾入塾。人間教育を研究。1991年(株)ルネッサンス・ユニバーシティを設立し、企業向け人材教育実践活動を行う。1996年NGO団体地球市民会議・リンカーンフォーラムを立ち上げ、総選挙・知事選挙などで公開討論会を600回以上開催。2000年から「首相公選の会」を主催。
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