「クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間」太田哲也
2005/06/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
●日本一のフェラーリ使いと言われた太田哲也氏は、
雨のレースでポルシェとクラッシュし、
体の60%の大ヤケドを負ってしまいます。
瀕死の大ヤケドから奇跡的にF1復帰した
ニキ・ラウダの10倍ひどい
ヤケドであるにもかかわらず、
最新の熱傷治療技術により
命だけはとりとめました。
●しかし、リハビリをしながら焼け焦げた
木炭のような腕、鼻のない顔に
太田哲也氏は呆然としてしまいます。
これではレースに復帰は無理。
追い討ちをかけるように、
看病疲れで妻が体調を崩してしまいます。
・あのまま死ねば良かったのに、
なぜ俺は助かったのだ?
どうして生き返ってしまったのだ?
時間がたつほどに悲しみが
こみ上げてくる(p202)
●家族にとって迷惑な自分、
単に息をしている物のような自分に、
生きていく意味を見出せない
太田哲也氏は自殺を試みるも失敗します。
そうした失意のなか、
患者や家族とのふれあいの中から
だんだん生きる意味を探し始めます。
笑いが心のリハビリになりました。
・とりあえず生きる意味を探すことはいったん中止して、
今の段階では笑って過ごそう。
自分を無理やり笑わせてしまおう。(p226)
●そして患者Oとの出会い。
O氏は、暴漢にガソリンで火をつけられ
瀕死の大ヤケドを負ったのですが、
「この事件は、私の性格が引き起こした
もんだと思うようになった」
と太田哲也氏に語ります。
●そして、この事件のおかげで、
自分の心の周りにある硬い殻(古い考え方)を
変えていけるチャンスではないかと言うのです。
そこで、太田哲也氏は、
自分も心の周りに硬い殻があるのではないか
と気づくのです。
・僕は生きていくことにした。(p293)
●よく、大病をした、死にそうになった人は、
人生観が大きく変わると言われますが、
この本を読んで、実際に体験しなければ、
その本当の意味はわからないだろうなと感じました。
おおいに泣かせていただきましたので、
「きっと泣ける本」に
追加させていただきます。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・なぜだかはっきりとはわからないが、
賞賛されることは僕の人生にとって
重要な意味を持っていた。
他人の目に自分がどう映るか、
ということに関心があった・・
しかし、これからは違う。
もう賞賛されることはない。(p200)
・寅さんが映画のなかで言っていた
台詞が印象的に感じた。
「人間、一度くらい生きていて良かったと
思う時があるだろう。
そのために生きているんだ」(p227)
・何をしてどう生きるのか。
決めるのは誰か。
それは僕がすべてを決める。
以前と変わりはない。
ただ違っているのは、
目指す先だけだ。(p295)
幻冬舎 (2003/05)
受け入れることの難しさ
人生とは・・・・。
【私の評価】★★★★☆(85点)
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